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経絡体操法指導者認定を取得された皆様の抱負と展望

2021年度

渡邊康子

 IARP札幌支部・支部長でいらっしゃる細江たかゆきさんが公開するYouTubeチャンネルを契機に、2020年の夏からお世話になっております。日頃から心身を健やかに保つことの必要性を感じ、効果的と言われる瞑想をするに至り、IARPでご指導いただく本山式経絡体操と瞑想の素晴らしさを体感しています。
 特に、経絡体操を行うことによる身体の変化には著しいものがありました。骨盤のゆがみが原因で、着用するパンツの裾の長さに左右差が生じるほどだった状態が改善されたり、尿失禁を心配する生活から解放されたり、自分の身体の状態を自らチェック・ケアができて健やかさを維持する手段を身につけることがお財布にもとても優しかったりと、「IARPに巡り合って命拾いしているなぁ〜(笑)」と、つくづく実感しています。

 私は以前から首・肩・腰などあちこちが不調でしたが、3年ほど前から一人で歩けなくなるほど強い腰痛が頻発するようになりました。自分のことは後回しが常態化しており、体が悲鳴をあげていたんですね。ひどい時などはひとりでは起きるあがることもできず、娘の肩をかりながら整体院へ飛び込み応急処置を繰り返す生活でした。今思えば当時のことが嘘のように、痛みからも解放されており、お陰様で、経絡体操や瞑想を実践することによる効果は徐々にあらわれています。
 また、身体と心は表裏一体、身体的不調は心にも影響を与えるといわれますが、上記のような身体改善にとどまらず心も整いやすくなっています。少しずつですが俯瞰的視点ができてきたようにも感じられ、さらに平安な心の状態で物事をすすめられるよう精進したいと思っています。

 一方で社会に目を向ければ、精神的不調を訴える子どもや若者も増えており、2021年の全国の自殺者は約21,000人。男性の自殺率が12年連続で減少する一方、女性や小中高生の自殺が増加しており、社会全体で取り組むべき大きな課題です。
 また、孤立した子育て介護などによる虐待が後をたちません。家族の形態も多様化・核家族化が進む中、地域での関係性も希薄になり、子育や介護の社会化にほど遠い日本では、女性の社会進出やライフスタイルの変化に伴った保育や介護のニーズに対応できず、その多くを女性が担い、心の余裕がなく空を見上げることがないほどギリギリの精神状態でも助けを求められなかった多くの声を聞いてきました。人に頼ることは実はとても主体的な行為であって、誰もが容易にできるものではありません。ワンオペ育児にダブルケアなどを行う当事者であれば自分のための時間をもつことさえ難しいことも承知しています。だからこそ、自分も経験してきたような『私』を後回しにする意識を変え、短い時間でも自分を労い内観する時間を持つことの必要性も感じているところです。

 本山式経絡体操は自宅で簡単に自分をケアすることができ身体も心も健やかに保つことができる有効な手段です。多くの方に知っていただき実践し続けることで得られるさまざまな効果を積み上げていける機会をもてたらと思っています。そしてIARP創立者・初代会長 本山博(文学博士・Ph.D)先生がIARPを創立した目的である「私たちがヨーガ行を通して、自己の純粋な魂に目覚め、愛と調和に満ちた地球社会の実現に貢献できるようになること」を指針とし、地域で多世代を繋ぎ持続可能な斜めの関係性を築くことで、誰一人取り残されることなくお互いに支え合って分かち合える地域社会の実現に貢献していきます。

 末筆ながら、覚えの悪い私を支えてくださった先生方と励ましてくださったみなさま、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

神田知典

 私は、日ごろ、企業で、マーケティングコンサルタントとして、クライアント企業の事業推進/変革を並走し支援しています。
 個人の課題として、「自分のパフォーマンスが、その日の心理状態によって大きく変わることを感じており、より高いパフォーマンスを維持するためにどうしたらよいか」考えておりました。また、仕事をする上での課題として、「どうしたら、価値観の異なる組織同士で協力して取り組んでいけるのか」考えておりました。この両課題の解決のために、瞑想が有効という結論に落着しました。そして、瞑想をより深めるためにIARPヨーガおよび本山式経絡体操法が有効と感じたことが、私が経絡体操法指導者資格を取得した理由です。
 より日常的なエピソードでは、私自身、若いころから腰痛を患っておりました。また、一時期、健康診断でメタボ判定を受けるほどに体重が増加しておりました。ところが、本山式経絡体操法を取り入れたところ、腰痛を感じる頻度も少なくなり、10kg以上の減量に成功しました。私の母は、年齢を重ねるにつれ、足腰に痛みを感じるようになりました。本山式経絡体操法にもある、膝裏を伸ばす体操を一緒にやると、「気持ちいい」と言ってくれます。
 行動が制限され、室内にいる時間が増えた昨今、体の不調を持つ社会人の方、ご高齢の方も多くいらっしゃると思います。そういった方々の体の不調を取り除き、よりよい日常をお送りいただくためにも、経絡体操法をお伝えしていきたく思います。
 これからは、自身として本山式経絡体操を日々実践しながら、より多くの人にお伝えするための場をIARP内外で設けていければと思っております。皆さまよろしくお願いいたします。

 以上が、私の自己紹介および経絡体操法指導者資格を取得した理由です。ここからは、2つの課題「自分のパフォーマンス改善」「組織間の協力」と、IARPヨーガおよび本山式経絡体操法の関係について私の考えを記載します。
 *    *    *
課題①『個人のパフォーマンス』に関して
 体調や気持ちの状態により仕事効率に波があり、常にパフォーマンスを維持し続けることに課題を感じていた私は、googleなど外資系企業で実施されているパフォーマンス維持のための手法として、「マインドフルネス」を知りました。「マインドフルネス」によって、雑念や不安感を除去し、業務に集中し効率を高めることができると言われています。そして、マインドフルネスを学び、実践する中で、「瞑想」を知りました。
 過去から、今もなお、多くの宗教関連事件の報道もありますので、瞑想→宗教→怪しい という自動思考(思考停止状態)に入る方も多くいらっしゃると思います。(体操的なヨガも、マインドフルネスも、ここを上手に避けながらマーケティングしており、マーケターとして「さすが」と思います)
 ただ、世界の知性に目を向けると、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、『インテグラル理論』のケン・ウィルバー氏、『学習する組織』のピーター・センゲ氏、いずれも瞑想を実践/推奨されているのです。より身近なところでは、経営者の稲盛和夫氏や、陸上競技指導者の為末 大氏も瞑想を実践されています。知の巨人が共通して活用しているメソッドであれば、「怪しい」という印象で食わず嫌いをするのはもったいないのではないかと思い、探求を続けました。
 「マインドフルネス瞑想のルーツは何だろう?」「より瞑想を深めるためにはどんな方法があるのだろう?」禅・唯識・ヨーガなど、様々な手法を調べる中で、本山博氏の書籍に出会い、IARP、経絡体操法に出会いました。そのプロセスの中で、自身の心を整え、パフォーマンスを高めるためには瞑想が有効であること、瞑想を深めるためには、まずは体を整える必要があることを知りました。
 本山式経絡体操法は、数百もあるヨガのポーズから、体を整えるために必要なものだけを厳選し構成されています。また、ただ気持ちを静かにし目を閉じることが瞑想ではなく、精神集中→瞑想→三昧 という果てしないステップがあるということも知りました。
 なお、体を整えることの重要性に関しては、私の敬愛するケン・ウィルバー氏も、「頭に偏重している我々現代人が、自身の可能性を引き出すためには、頭・体・心の バランスを整えながら、自身の抑圧してきた部分に光をあてることが有効である」といった趣旨を述べています。面白いことに、東洋のヨガ実践者本山博氏と西洋の哲学者ケン・ウィルバー氏の主張に共通点があるのです。複数の視点から同じ結論が導かれる場合、その結論は真実である可能性が高いと感じます。

課題②『価値観の異なる組織同士での協力』に関して
 今、どうして社会/会社で、組織間での協力の必要があるのか。デイブ・スノーデン(Dave Snowden)氏のカネヴィン・フレームワーク(Cynefin framework)に照らし合わせながら、高度経済成長期以降の社会を俯瞰してみたいと思います。
カネヴィン・フレームワークでは、問題や状況を4つに分類しています。
1.Simple(シンプル):単純
 問題の因果関係や構造が明確
2.Complicated(コンプリケーティッド):困難
 少し分析すれば、因果関係や構造を明確化可能
3.Complex(コンプレックス):複雑
 因果関係が複雑であり、調査・探索が必要
4.Chaotic(カオス):混乱
 因果関係が不明で、状況や問題の理解も難しい
このフレームワークに照らし合わせると、「高度経済成長期」、「2000年代初頭」、「年」では、発生している問題の種類が変わってきていることがわかります。

<高度経済成長期>
 この時の企業の課題は比較的シンプルでした。カネヴィン・フレームワークで言う、単純系(obvious)に該当する時期と言えるでしょう。オートメーション化することで多くの課題は解決、企業は売り上げを伸ばすことができました。
<2000年代初頭>
 この時代は、ロジカルシンキングや戦略思考で解ける課題が主でした。カネヴィン・フレームワークで言う、困難系(complecated)に該当すると言えます。ビジネスマンは、新しい知識を身に着けることで、自分の商品価値を高めることに躍起になりました。当時、MBAや、マッキンゼー、大前研一氏が注目を浴びました。
<近年>
 社会の複雑性が増し、ロジカルシンキングで導いた答えをそのまま現場に適用することは難しくなってきました。「理屈はわかるが、納得できない」というご経験はありませんか。効率化を求める中で各組織ごと、それぞれ目的、目標(KPI)を持ちましたが、それは組織間の分断を生み出しました。決められたことを効率的に進めることを得意とする反面、協力して新しいことに取り組むにはあまり適していないのが現在の組織だと思うのです。近年は、カネヴィン・フレームワークで言う、複雑系(complex)に該当すると言えます。
 「あちらを立てればこちらが立たない」状況から、もう一度お互いに協力し合えるようにするためには、U理論、システム思考、対話などの組織開発各種方法論や弁証法を駆使しながら、「自分の見解はある視点においては正しいが、絶対ではない」ことを認識し、他者を理解し、現象を直線ではなく循環でとらえる必要が出てきています。(近年よく聞くSDGsは複雑系の最たるものです。また、企業内でデジタルトランスフォーメーションが進まない一因もここにあると考えます)

 ここで、ポイントとなるのが、自己利益や自己保存にこだわり、自身の意見を主張するだけでは、対話は成立しないという点。そして、対話をするためには、相手の意見を自分ごととして腹落ちし聴くためには、「私の考え」「私の利益」に執着する、エゴと距離を置く必要があります。(正しくは、「距離を置く」ではなく、「エゴが自分と認識する領域を拡大する」だと思いますが、ややこしくなりますので、「距離を置く」としています)
 これまで、私たちはエゴと同一化して生きてきたため、急に「エゴと距離を置く」といわれてもなかなか実践が難しい。
 わかりやすい例をあげると、よく会議などで「幣部としては〇〇な認識です」という言葉を耳にしませんか。そうではなく、論点は「社長の視点から見たらどうなのか」です。しかし、その視点を得るには、「どうしたら自部門に都合がいいか」「どちらが自部門にとって得か」から離れて考える必要があります。それはつまり、「自分の評判」「自分の業績」「自分の昇進」「自分の給料」から離れて考えるということです。これが、実に難しい。
 このエゴと距離を置くために有効なツールが瞑想だと思うのです。

 対話と瞑想の関係性がうかがえるエピソードを一つご紹介します。以前、組織間のコミュニケーション改善に取り組む、「組織開発」界隈の方々のお話を伺った際に、瞑想実践者が多いことに驚きました。組織開発界隈のお仕事をされている方は、お仕事の性質上、瞑想の重要性に気づかれている方も多いのだと思います。
 この先、組織課題や社会課題に取り組む方々が、エゴと距離をとるために、瞑想を必要とする時が来ると思います。(すでに一部の方は活用されています)その際に、インド・中国などアジア各地に古来伝わる伝統的手法を統合し、必要な方法のみを抽出した本山式経絡体操法、およびIARPヨーガは、その方々の強力な助けとなることと思います。

 この経絡体操法を、必要とされる時に必要とされる方々にお伝えできるよう、自身も実践の道を一歩一歩重ねていければと考えております。

2019年度

神奈川県 大貫美帆子

経絡体操指導者養成課程を受講した動機は、今後の開催が未定になるというのを聞いたことと、その当時、自然派化粧品会社のアロマトリートメントサロンに勤めており、リフレクソロジーやマッサージなどで様々な症状の方の施術をさせていただいており、経絡や、身心についてもっと深く知る必要や、日々の仕事の中でつかれやすく感じやすい自分の身心の調整の必要も感じていたことがあります。

また以前、他のヨーガのTTC(ティーチャートレーニング)を受けてから、仕事の傍ら、家の近所の自然食のカフェなどで地域の人たちと数年間ヨーガをしていたのですが、ヨーガのあと、身心の状態がよくなる方が多くいらっしゃって、ヨーガは身心のバランスを整えると学んでいましたが、アーサナと経絡などのより詳細な関わりについては認識しておらず、、IARPの経絡体操の集中講義を受講して、アーサナと経絡の仕組みがより繊細に納得でき、腑に落ちて、伝える上でも学びたいと思ったからです。経絡体操は無理がなく自然の理にかなった体操だと感じ、私の心身にしっくりときました。

ヨーガに興味をもったのは、幼少の頃母が病気になったことなどがあり、何故人は生きているのかなとか、人が幸せに平和に生きるにはどうしたらいいかなとか、心身の調和の大切さや、心の内にある平和に関心が向くようになり、大人になってヨーガを知り、雑駁ながら本を読んだり、学ぶようになったというのがあります。

現在は、家族や友人、職場の人、アロマトリートメントを受けてくれたお客様など、ご縁のあった周りの方に機会をみつけて経絡体操を伝えています。どんな方でも、体力や筋力のない高齢者の方でも安全に行うことできて効果的なので、とても優れた体操だと感じております。

今後も、自分の学びも深めながら、ご縁のある周りの人たちにも伝えて、微力ながら日々の心身の調和、霊的成長、平和の貢献に繋げられるよう、長く取り組んでいけたらと思っています。

IARPを教えてくださった友人や、体操が苦手な私を忍耐強く真摯に丁寧に指導してくださった倉谷先生、一緒に学んだ皆様、本山先生やIARPの学びの場所を維持してくださっている諸先生方や事務の皆様、貴重な学びのご縁に深く感謝いたします。ありがとうございました。

東京都 山手英子

私の育った環境は、父と母が商売をしていたこともあり、毎晩姉(註:山手初美さん)と二人で過ごしておりました。家の中には人間は私と姉だけですが、この世の次元の方ではない方々が多くいたので寂しくはありませんでした。そのこと自体がおかしなことなのですが、その頃の私には何らおかしなことだとは思っておりませんでした。危ないことが起きそうな時は、仏壇に行きご先祖様を呼ぶと大変なことにはならないので、特に気にしていませんでした。しかし、私と父は、そういった意識を自分でコントロールができませんでした。私の記憶にはないことなのですが、母と姉は日々困り果てていたようです。そんな時、母はIARPの存在を知り、藁をも掴む想いでクラスに参加したことがきっかけで玉光神社にご縁を戴きました。そして、私と姉と母は、現在行われておりませんが、般若心経百巻の朝行に出るようになりました。当時の私にはとって、それは苦しい以外の何物でもなく、膝の痛み、脚のしびれ、寒さ、全てが辛く泣きながら百巻耐えた苦い記憶がよみがえります。

ある朝の行が終わった後、母が私の霊媒体質のことで本山博先生に質問をしました。そうすると、本山博先生は私を黙って見つめ「こんなに小さいのに可哀想にね、こっちへおいで!」と私を呼び、私の頭の上に掌を置き「これでしばらくは大丈夫だからね!時期が来たらまた開くから」と力を送ってくれました。何とも不思議な温かさが真っ直ぐに私の中を通っていったのを今でもよく覚えております。その後、私の不思議な体験は一切なくなりました。

その後、30歳を過ぎるまで何事もなく過ごしておりましたが、自分の過信から死んでもおかしくないような大事故を起こしてしまいました。それは、気が付かなければいけない時期だったのだと今は思います。その時に姉から「経絡体操の指導者の資格を一緒に取り、自分たちにしかできないことをしよう!」と誘われました。経絡体操?詳しいことは分かりませんでしたが、こんな小さな私にでも役に立てることがあるのなら…と資格取得のために頑張り始めました。

最初は身体が固く、身体のあちこちが痛くて、嫌だなと思っていた私ですが、日に日に身体が変わっていくのを実感し、考え方までも変わり始めました。気が付けば「絶対にこれしかない!」と思い込みの強かった私が「なるようになる!」と自然に全てのことを受け入れられる境地に変わっていました。

私は、幼稚園で勤務をしておりますので、この経絡体操を人間形成に大切な幼児期にやってみたら良いのでは!と考え、保育中に少し取り入れております。

本山博先生から教えて戴いた、「これからはヴィシュダが不安定な子たちが増えてくる」というお言葉通り、昨今の子供たちには浮世離れした地に足が付かない根気のないタイプが多いようにも感じます。そういう子供たちも経絡体操に触れて、心と身体のバランスをとることができたら変わっていくのではないか?と日夜姉と構想をしております。

今は、姉の経営するお店で、子供たちの心と身体のバランスがとれるように、上に上がりやすい気を下に下げられるように、足の指をしっかり動かすことやパワンムクタアーサナを子供用に遊びに取り入れたりしながら本山博先生から戴いた愛を少しでも多くの方々に伝えていけたら・・と試行錯誤しております。

障害のある子供たちにも分かりやすく、簡単にできるようにして、全身のバランスを取ることができ、ご本人のみならずご家族皆さまが心身共に健やかに過ごせるようなお手伝いをさせていただければ幸いだと考えております。

まだまだ未熟ではありますが、いただいたこの機会を大切にして精進して参ります。

最後になりましたが、IARPの運営に日夜ご尽力いただいております諸先生・関係者の皆様に、この場をお借りして厚く感謝を申し上げます。

東京都 山手初美

IARPとのご縁は、幼少の頃より母に連れられ、玉光神社に参拝させていただいておりましたことにあります。その頃から本山博先生、本山博先生の奥様、本山一博先生には大変可愛がっていただいておりました。初めて経絡体操のクラスに参加したのは、中学生くらいのことだったと思います。その当時の私は、大変恥ずかしながら、生意気で非常に尖っておりましたので、体操も嫌々で効果など感じようとはしておりませんでした。
そんな私を、本山博先生、本山博先生の奥様、本山一博先生を始め、講師の先生方は、いつも温かく見守っていてくださいました。
今となっては、全てが恥ずかしく、何と恐れ多いことをしていたのか・・・。知らぬは恥とはこのことだと痛感しております。

今回、経絡体操法指導者認定の資格を取得しようと思った動機は2つあります。1つは、2013年に首のヘルニアが原因で歩行困難になったことにありました。その時、有名・大手の病院4院を受診しましたが、4院共に「手術をしなければ、まともに歩けるようにはならない」と宣告されました。どの病院のどの医師も私の顔をまともに見ることもなく、同意書を渡す姿はまるでマニュアル化されたかのような、何とも心のないものでした。絶対にこの医師にはお願いしたくない!絶対に手術はしたくない!と強く思いました。(今考えてみれば、このこともお導きなのだと想います)
以前より身体のメンテナンスをしていただいていたIARPの講師の竹島先生に毎日、自宅まで来ていただき献身的な鍼治療をしていただきました。そのお陰もあって、覚束ないながらも歩けるようになり、その後も経絡体操のクラスに参加することによって日常生活が不自由なく出来るようになりました。そして普通に生活を送れるということが当たり前のことではない…ということに気が付きました。
私は、ヨーガや経絡体操からではなく玉光神社の信仰から先にご縁を戴いたので、ヨーガの歴史や修業的なことは後から勉強しました。恥ずかしながら今でも詳しく分かっておりません。しかし、今回一緒に勉強させていただいた方々からヨーガの歴史や行について、多くのことを教えていただきました。このご縁も本山博先生のお導きと感謝し、これから先も共に学んだ同士を大切にしていきたいと思います。
「自分の身体は、自分で治せるようにならないとね!」
この言葉は、かつて私が連日の激務に無理がたたり、竹島先生に頼りっぱなしだった頃、倉谷先生からいただいた言葉です。
その頃は、毎日体操をすることで体感する効果や変化など、自分の身体を客観的に見ることが出来ず、体操もクラスではしっかりとしますが、自宅では好きなものだけを「ながら」でやっておりました。「体操をしても即効性が感じられない、治療しないとまた動けなくなる!」と思い竹島先生に頼りっぱなしでした。今では、意識化することの重要性や教科書全てとまでは言わずともパワンムクタアーサナ、仙骨股関節の矯正体操、スシュムナの調整は毎日しておいたほうが良いということも理解できるほどに成長させていただきました。
日々、身体の疲れを溜めないために気のバランスをとることは欠かせません。そして自分の弱い部分、経絡や骨格、仕事的に負荷のかかる場所をしっかり把握して、その部分を自分自身で見つめ、良く知って受け入れることの重要性、仕事などで負担がかかる場所には、そのリカバリーを必ず行うこと。睡眠の質をあげる方法など…。「仕方ない」ではなく、どうしたらより良い状態でいられるのかを考えるようになりました。また、鍼灸学校では教えてもらえない、チャクラと経絡の関係性や体質的なこと、一般的なヨーガ教室では絶対に教えてもらえない(本来のヨーガの目的)ことを教えていただき、自分のすべきことがだんだんイメージできるようになりました。
あの時、倉谷先生からいただいた言葉と私が動けず瀕死の状態だったとき、竹島先生から毎日言っていただいていた「大丈夫だよ!必ず元気になれるから!!」の激励と笑顔、それが私をこの道へいざない、向かうべき方途への光となりました。私の最高の宝であります!
お二人の講師の先生がいなければ今の私はありませんし、こうして資格を取得して世に伝えたい!とは思えなかったはずです。
これまで長い年月を費やし、経絡体操を学術的にも指導要領的にもしっかりとした形に残された先生方には、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございます。

資格を取得しようと思ったもう1つの動機は、「本山博先生へのご恩返しがしたい!」本当に素晴らしい方に指導を戴いていたことに気が付いた時には、本山博先生はもうお亡くなりになっていらっしゃいました。私の人生において、本山博先生から戴いた数多くの助言が私の原動力です。
本山博先生は覚者として時に厳しく、また時には慈しみ深く、先見の明がある本当に素晴らしい人間離れした指導者でありました。幾度となく、本山博先生の極めて厳しいご要望(無茶ぶり?)に講師の先生方は迅速に対応され、実現して来られました。諸先生方の功績は貴重な財産であります。改めて深く感謝申し上げます。
本来のヨーガ思考、正しい経絡体操と適正な瞑想、それら本山博先生の指導を間違うことなく後世へつないでいきたいと思います。
「水を飲むとき、井戸を掘った人を偲び、感謝しなさい」…中国の故事にあるように、感謝を忘れず経絡体操を正しく広め、先人に恥じぬよう、心技体を究めて参ります。
結びに、この度はこのような機会を頂戴し、誠にありがとうございました。拙い言葉の羅列に恐縮至極でございます。これも何かのお導き、ご縁だと思い、その使命を自覚して参ります。IARP諸先生・事務の皆さまにおかれましては、恙無く健やかにお過ごしになられますことを衷心よりお祈り申し上げ、謝辞に代えさせていただきます。

茨城県 井上久美子

私はヨガの講師をしております。仕事柄いろいろなティーチャートレーニングを受けることがあります。2017年と2018年に陰ヨガのジョーバーネット先生のティーチャートレーニングを受けた折、たびたび本山博先生のお話がありました。それも大変尊敬されておられました。
本山先生とはいったいどんなお方なのだろう…

2018年の陰ヨガのTTの時、一緒に勉強していたインストラクターの方からIARPの事を教えていただき、その年の9月に経絡体操集中セミナーに参加しました。集中セミナーは今まで私があまり体験した事のない内容のクラスでした。それがとても新鮮でそして心にも身体にもとてもしっくりときました。その空間も不思議と落ち着く場所でした。
集中セミナーを終えてもっと勉強したいと思った時、経絡体操指導者養成課程がある事を知りました。このコースは2019年以降は未定だとお聞きし、それならば頑張って取得を目指してみようと決めました。

サンスクリット語で「ksana」という言葉があります。
“今この瞬間”という意味です。
今この瞬間を感じ、大切にし、丁寧に生きる。その事が先に結びつく。私は怠け者なので、いつもこの言葉を大切にしようと心がけています。
2019年7月迄に経絡体操指導者としての認定を得るための勉強が始まりました。茨城から通うので大変な面もありましたが、家族の協力もあり、集中して学ぶことができました。
月3回の水曜日の倉谷先生のクラスに参加しました。どのクラスもいつも新しい学びがあり、経絡体操の心地よさ奥深さを体感しました。
パワンムクタアーサナをすると、体全体の流れが良くなり、体全体が動き易くなります。
お年寄りや体を動かすことが困難な方でも、パワンムクタアーサナを行うだけでも、体全体に効果があると思いました。私が指導しているヨガ教室に通ってくださる、年配の方や指先の動きづらい方などに大変喜ばれました。
20代、30代の若い方達には自分の体に気づくきっかけになります。
そして私自身が経絡体操を勉強した事で、ヨガのアーサナの深まり方が変わってきました。

経絡体操、ヨガ、瞑想、霊的成長どれも奥が深く学びがつきません。今この瞬間を大切にし、これからも学び続けたいと思います。
倉谷先生はじめ、この勉強を通して出会えた皆様に、感謝致します。

神奈川県 丸山理恵子

経絡体操との出会いは、根府川道場でした。
慣れない山道をトレッキングした初日、体操に参加したものの、ヨーガを習慣とし体力に自信のある私も、流石に筋肉痛は覚悟して眠りにつきました。しかし、翌朝は目覚めよし!むしろ快足!その日も10km程歩いたのです。そんな数日を過ごし、最終日まで特に疲労を感じることもなく・・・、驚いたのは他の参加者も同様とのことでした。
それから何度も道場には足を運んでいますが、心身の調和に絶大に効果的なこの体操を、「高齢の方や普段忙しい生活を送るヨーガの生徒さんにもお伝えしたい」と都度思いを深めていきました。
程なくして、繁本道場長にも「養成コースに通います!」と高らかに宣言し、本部へと足を運んだ訳ですが、倉谷先生の個々の状況に合わせた深いアプローチを体験し、またもカルチャーショックを受けました。その後、通えば通うほどこの体操法の奥深さを知ることとなり、安易に「資格取得」を口にした自分が恥ずかしくなるばかりでした。いつの間にか毎週水曜は勉強のため・・・ではなく、“自身のため”の大切な時間になっていました。
「資格はもう少し後に・・・」と考えも変わっていたのですが、この機会を逃したら・・・という状況もあり、現在に至ります。
クラスでは、いつも本山先生の教えやお言葉をお聞きすることが出来ました。先生がご存命の際も道場を存じていたのに、訪問できなかった自分が残念でなりませんが、今、このタイミングに根府川に出会い、本山先生が培ったこの体操を大好きな倉谷先生から直接ご指導いただけたこと、魅力溢れる友たちに出会えたこと、すべて本山先生のお導きあってのことと感謝しています。
不出来な生徒で恐縮でしたが、それでもこの体操法は教科書通り、ただやればいいものでないことを痛感しています。現在、以前よりのスタジオでクラスを持っておりますが、生徒の皆さんのご自身を整える一助になるよう、日々精進していきたいと思っております。
活きた経絡体操を実践していくことがこれからの私のライフワークです。
そろそろ根府川にも復帰させていただきます。
今後共ご指導よろしくお願いします。

2018年度

東京都 稲葉亜希子

2016年7月にIARPの体験セミナーに参加し、経絡体操法に出会いました。一般的なヨガとは違ったやさしい動きの心地良さとIARPの神聖な空気に癒され、今までにない深い安らぎを感じて即入会を決めたことを思い出します。クラスに通い始めて2年経ちましたが、経絡体操法が本当に効くという事を深く実感しております。

IARPを知るきっかけとなったのは、本山先生のご著書『密教ヨーガ』との出会いでした。ヨガのインストラクターをしておりますが瞑想行について深く学びたいと思いその教えを探しておりましたので、学ぶべき道を見つけた、と直感いたしました。

ヨガの指導を始める前は、祖母が長年寝たきりであった事がきっかけで、寝たきりになってしまう高齢者を少しでも減らしたいという思いがあり、中高年女性を対象とした健康体操教室で筋トレやストレッチの指導をしておりました。その教室では健康カウセリングも行っておりましたが、 病気ではないけれど健康に何かしらの不安をお持ちの方や、身体の健康だけでなく心の安定も求めていると話される方が多かったです。筋肉量を増やす事を目的とした体操教室でしたが、身体の歪みによっては膝や腰に負担がかかるのが難点でした。ヨガなら身体の歪みを調整し心のケアも出来ると思い、自分自身は長年行ってきたヨガのアーサナですが、それを高齢者にも合った指導ができるようにと勉強を始めました。現在行っているクラスに参加されている方の年代は様々ですが、体力がなくて辛い方や身体の歪みや痛みをお持ちの方もおられます。無理なく心地良く行えて少しでも症状の改善のお役に立つものを、そして高齢になってもずっと続けていただけるものをお伝えしたいと思っていましたので、経絡体操法に出会えた事が嬉しく、しっかりと勉強させて頂こうとすぐに決心いたしました。

クラスに通い始めて、自分自身がだんだんと変わってきました。もともと身体を動かす事が好きで刺激の強いアーサナも好んで行っていましたが、年齢を重ねてきた今の自分に合っていないものを頑張りすぎていたのかも知れません。より強い刺激を求めてしまい身体の微細な感覚が鈍くなっていた事を自覚しました。倉谷先生のご指導のお陰で、背中の凝りを取るつもりで行っていたアーサナで胸椎に負担をかけすぎて逆に痛めていた事や、気が付かなかった深い所の凝りを知り、 それらを治すための体操やマッサージを教わった時はとても安心しましたし、心身共に癒されました。経絡とアーサナの関係を学び、経絡の流れを意識しながら行うアーサナは、自然と心と身体がひとつになるような感じがあり、その心身の一体感は初めての感覚でした。自分の身体を深い所までよく観察して知る事の大切さを痛感すると共に、倉谷先生の仰っている“自分で自分を癒す”という事を、身をもって学ばせて頂きその効果に感動いたしましたので、きっとこの経絡体操法を必要とされている方がたくさんいらっしゃるに違いない!しっかり体得してお伝えしていきたい!という思いが強まり、指導者養成課程へと進みました。2018年2月に認定を取得し、現在学んだ事を少しずつ今のクラスに取り入れております。

倉谷先生に教わった経絡体操法は一生の宝物となりました。年齢を重ねていくと心身共に不安が生じやすくなると思いますが、経絡体操法を深く知る事でバランスをとって乗り越えていけるという安心感があります。奥が深く学びは尽きそうにない経絡体操法ですので、これからも自分自身を成長させながら勉強を続け、必要とされている方に届くように活動していきたいと考えております。

福井県 田中朱紀

IARPに入会して、今夏でようやく2年が過ぎました。多くの先輩方がこのIARPで学ばれてきたことを鑑みると、2年などごく短くささやかな期間かもしれませんが、入会以来、多くの貴重な学びの機会を頂いております。

経絡体操法の指導者養成課程には、昨年度の2017年に参加し認定を頂きました。ですが当初、まずはこの養成課程に参加するか否かで迷いがありました。と言うのも、以前に別の某学会にてヨーガ教師の認定を取得したものの、指導実践には至らなかった、という経験があったからです。 また、アーサナよりもむしろ瞑想を主体に学びたい、との思いでIARPに入会したこともあって、当初は指導者認定の取得には前向きではありませんでした。アーサナに関しては、自身の心身のケアのために20代後半から続けていて、また、ヨーガ実践者として必要な柔軟性については特に問題ないかな、との思いもあったので、アーサナに関しては経絡との繋がりが学べればそれで充分、などと、入会当初は不遜にもそう思っていたのです。

ですが、倉谷先生の体操法クラスや、他の先生方の瞑想クラス、そして、会長ご指導の各種セミナー等に参加し、ご指導を頂きつつ体操・瞑想を実践してゆくうちに、そんな思いも徐々に変化していきました。一連の各種体操法の奥深さ、効果の高さが、次第に分かってきたのです。そして、自身の心身状態が徐々により良い方向へと変化してゆくにつれ、 「この本山式経絡体操法を一通り学んで、しっかりと自分のものにして実践できるようになりたい」、との思いが、次第に強くなっていきました。人への指導実践には至らなかったという、以前と同じ轍をまた踏むことになるかな、との思いもやはり一方ではあったのですが、それ以上に、本山式経絡体操法それ自体への関心と、修得への思いの方が勝った形で、結局、登録に踏み切ることになりました。

その後の2回にわたる指導実習の折には、案の定、指導経験の無さによる問題点、説明の仕方や表現の拙さ等について、先生より何度もご指摘を受けました。その都度、言葉で伝えることの難しさ、自らの指導経験の乏しさを痛感しましたが、今こうして振り返ってみると、自分と向き合うという意味においても大変貴重な学びの機会だったのだな、と改めて思います。

指導者認定を頂いて以降の変化については、まずは自分の心身状態への気づきが、以前よりも深まったように感じます。各種体操法を日々行うなかで、身体の内的状態の変化や、動かす行為そのものに対し、気づきを保ち続けるよう一層心掛けるようになりました。それに伴い、自分の心の状態やその変化に対しても、一定の距離感を持って観てゆくことの大切さが、より実感として分かるようになってきました。

また、一連の体操法が、安定した坐法を取るための身体作りに最適な行法となっていることも、より一層実感するようになりました。中でも、仙骨・股関節矯正体操や重心安定体操といった体操法は、日々実践してゆくことで確実に効果が出てくることを、身をもって体験しています。

その他の体操法についても、その効果の高さを実感しています。先日、とある体の硬い方に、パワンムクタアーサナを紹介する機会がありました。その場の1回限りの実践でしたが、「あれ程ガチガチだった肩が動くようになって、とても気持ち良かった」との感想を、驚きと共に言っていただけました。お伝えした私の方も、その効果の高さと即効性を改めて知ることになり、とても驚いた次第です。

今のところ、教室等で体操法を指導するといった機会は特に持っておりません。ですがもし今後、何らかのご縁があり、今回頂いた認定を人に対して生かせる機会があれば、またチャレンジしてみたいと思います。ともあれ、当面は自ら積極的に機会を作ることは敢えてせずに、このまま自然の流れに沿って行こうと思っております。

また、入会当初の目的であった肝心の瞑想への学びは、なかなか前進できずに牛歩状態が続いています。それでも、初代会長が設立されたこの歴史あるIARPという場において、焦らず一歩一歩、経絡体操法と瞑想の両輪を共に実践し続け、少しでも霊的成長が果たせれば、と思っております。

2017年度

静岡県 島崎 容子

IARP に2015年7月に入会しました。
10年程前から縁あって仏教を勉強していた際、本山博先生の『密教ヨーガ』を拝読しました。とても興味をもち本部道場に伺いたいと思っていましたが、その時は予定が合わず時が過ぎてしまいました。2015年の春、指導者の転居に伴い仏教の勉強を中断せざるを得なくなった時IARPを思いだし「ヨーガ体験セミナー」を受講し、すぐに入会を決めました。

入会してからは、各種セミナーに出来る限り参加し、それと同時に一目惚れした倉谷先生の経絡体操法のクラスに月3回水曜日通わせて頂きました。仕事はゴムバンドを使ったストレッチ体操のインストラクターをしていましたし、若い時から体を動かすことが好きで、ジャズダンス、エアロビクス、フラメンコ、空手、太極拳、気功その他諸々行ってきましたので、体を動かすことには自信があったのですが、倉谷先生の「自分で自分や家族を治す方法を学ぶクラス」(それは、クラスの始めに各自が不調を話し体操終了後不調が改善されたかを実感するクラス)で、体操で体を治すことを教えて頂いたときは目から鱗が落ちるようでした。

経絡を理解し体操と結び付けることで、体操が治療に繋がること、また、それを真摯にご指導されている先生のお姿にいたく感銘を受けました。

実際その時私の不調は「花粉症」で、誰が見ても分かるほど鼻水、くしゃみが出ていました。それを先生は「大丈夫!良くなりますよ!」とおっしゃった時は正直、35年来の花粉症が治るなんてあり得ない!と思いましたが、ここは先生を信じてみようと思い、家でも仕事でも経絡体操を行いました。そうこうしていると驚くことに私の花粉症が改善されただけではなく、仕事で関わらせて頂いた生徒さん方にも効果が出て来ました。

これは凄い、もっと経絡を勉強し、効果が実感できる体操を皆さんにお伝えしなくてはと思っていたところ、倉谷先生から「島崎さんは熱心に通われているので、経絡体操法の指導者の資格を取ってみたら」とのお話を頂き、自分のため、人のためになると思い、指導者養成課程を受講し指導者認定を取得しました。

2017年1月から、主人の兼ねてからの夢だった静岡県に移住し、第二の人生をスタートさせています。同時に幸運にも根府川道場とのご縁を頂き、道場で夜のヨーガを週3回担当させて頂いています。道場で出会える多くの方に経絡体操法をお伝えしたいと「一期一会」を心に日々楽しく仕事をさせて頂いています。

  • 島崎講師は、根府川道場で週3回クラスをもたれています。

2016年度

宮崎県 長友 明子

2016年3月に経絡体操法指導者認定を取得しましたが、倉谷先生、近藤先生のいつも変わらず熱心で細やかなご指導、本部のスタッフの方々のサポートのお陰だと心より感謝しております。

私自身は、若い頃からの頭痛を含め体質を改善したいと思い、20代後半からハタ・ヨーガ、シヴァナンダ・ヨーガなどをやってまいりました。ヨーガを始める前に比べると猫背だった姿勢が良くなり、身体も随分整い、体調も改善されてきましたが、ある程度のところからの進歩が少ないことと瞑想の難しさを感じていました。

ご縁があり、宮崎にお越しでした近藤先生にお願いし、希望者を募り経絡体操の時間を作っていただきました。陰陽五行やツボ、経絡など東洋医学の視点から、参加者の体調と季節を考慮しての身体のケアのお話を交えて、経絡体操の後、呼吸法を行ってから少し坐るといった流れでしたが、身体が整い、心が収まるのを感じる時間でした。それまでやってきたヨーガは、より難しいポーズが出来るようになることが上達の目安のようなところがありましたが、近藤先生が指導して下さる講座では、難しいポーズはほとんどなく、身体の歪みを矯正し、気の流れを良くすることの大切さを実感しました。

毎月の講座を大変楽しみに参加させていただいていましたが、次回までの約1ヶ月の間に忘れてしまったり、我流でやっていたりする部分がありましたし、体系的に勉強したい旨近藤先生に相談しましたところ、本部での集中講座を勧めていただき、夏期講習や経絡体操法集中セミナーなどに参加させていただきました。そのような形で年に1~2回集中講座に参加させていただいているうちに、倉谷先生、近藤先生から経絡体操法指導者養成過程のお話があり、資格をとるために実践、勉強することで、より深い知識、技術を身につけたいという目的で挑戦させていただきました。

指導者認定試験を見据えて本部で様々な先生のクラスに参加させていただく中で、漠然とクラスに参加させていただいている時には気付かなかった多くの気付きがあり、教えることの難しさ、責任の重さも感じました。テキストに載っている内容を正しく分かりやすく声に出して指導することはなんとか出来るようになりましたが、内容を咀嚼、消化し、自分のものにしようとする過程で、いかに知らないか、出来ていないかということを認識しました。

現在は、近藤先生がお越しの時からの宮崎でのクラスで経絡体操を行っていますが、私自身の魂の成長を心がけながら、少しでも多くの方のお役に立てるよう日々精進してまいりたいと思います。引き続きご指導を賜りますようお願い申し上げます。

東京都 田之頭 裕司

IARPで経絡体操法を習い始めた当初は、経絡という解剖学的に証明されていないものの存在を、ただ在ると言われるままに信ずることのないよう注意しつつ、ただ漠然と行っていました。

それまで、身体各部を記号的に認識していた私にとって、身体全体の気の流れや、関節一つ一つの動きを意識化していくのは難しい作業であり、なかなか実感が伴わないまま過ごしていました。しかし解らないなりに地道に継続していたところ、ふと気付いてみると、朝が弱かった私の体質が改善されたのか、いつの間にか目覚めが爽快になり、長時間のデスクワークで抱えた腰痛や首の凝りも軽減されていて、さらには瞑想の集中も深まりを感じるようになったことを以て、経絡体操法の効果を実感するに至りました。

経絡体操法指導者認定を目指したのは、その経絡体操法をより効果的に行う為には、人に教えられる程度まで習熟した方が良いと判断したからです。

実際、経絡体操法集中セミナーに出てみると、操法の一つの一つの細かい動きから意味も含めて、それまでの自分の理解が如何に浅いものであったかを省みることになり、加えて、指導するに当り、動きを指示する言葉に身体を連動させることの難しさを思い知ることになりました。特にこの後者は、経絡体操クラスに出ているだけでは学べない範囲であり、私自身、言葉と身体の連動性のあまりの不一致に驚いたほどでした。

このような自分自身でも気付いていなかった癖や不備を、講師の方々の厳しくも丁寧な指導の下で理解するまで学ぶことが出来たのは、操法の理解と同時に、自己理解の観点からも、充実した期間であったと思います。

指導に当って下さった本部講師の近藤先生、倉谷先生、それと共に学びつつ様々な意見を交わした受講者の方々には、心から感謝申し上げます。

最後に、マハトマ・ガンジーという人が「あなたが見たいと思う世界の変化に、その変化に、先ずあなたがなりなさい」と書いているのですが、IARPの理念に描かれているような調和や統合に向けて、私自身がその変化に資するよう、今後も精進して行こうかと思います。

東京都 佐々木 進

経絡体操指導者養成過程に応募したのは、IARPを知ってから12~3年程経過していたと思います。

その間、家庭の事情等があったこともあるのですが、定期クラスに参加することもなく、いたずらに時が過ぎて行きました。体操の指導者の養成過程も設置されていることは知っていましたが、自分自身そういう柄でもないなと思って傍目に見ていたという程度でした。ただなんとなく、こういった会があるのは貴重なことだろう、稀有な事だろうなという思いがあり、退会するという気も特に起こらずに過ごしていたように思います。

少しだけ習った行法をもとに、一年程、無茶苦茶というのがふさわしいやり方で闇雲に坐ったりしていたのですが、それはほとんど苦痛と我慢の連続に等しい状態で、その状態を改善しようとあれこれ思い巡らせていた折、久方振りに閲覧したIARPの経絡体操法クラス案内の「エネルギー耕蓄」という言葉に、当時の重苦しさを解き放ってくれるような響きを朧げに感じ取っていたように記憶しています。

数年振りに研究所の銘板のある門を通り、水曜日の体操クラスに初めて参加した翌朝、下腹に力の篭った感覚を感じながら、先生の仰るとおりに養成過程をやってみるかと思ったことを今でも思い出すことが出来ます。

ただそれは、明確な目標に向かって決意したということではなく、流れに身を任せてみようかという具合だったのです。こんな経緯ですから、あとはなるようになったというより他ありません。その後の日々も含めたこれら一連の出来事は、私が何かをしているというよりは、物事が或る方向に向かって流れていったという言い方の方がしっくりきます。

このようにして自分自身を振り返り観ると、迷いというか堂々巡りに気づかず堂々巡りしていたとでもいうような日々でした。その最中、養成過程に参加することを決意したのは、心の奥底で、「肚底から納得したい」という思いが尽き果てていなかったからだと思います。更に言えば、魂がその故郷を忘れられず何とか思い出そうとして無意識的に始めたのだとも思います。ですから、それらは私とか、自分とか、呼び名は様々ですが、そういう主語があって行われたというのとは、少し違うように思えてなりません。

在る事は様々な形態を伴うものでしょうが、これはどの様に在っても、目指しているという必要すらない程に、何かに向かっているのでないかという気がします。根拠が何なのかと問われれば言葉に詰まりますが、それは草木が光の方向に自然と伸びて行くように、より明るいもの、より懐かしいもの、より素敵な素直な有り様を目指すような気がしてならないのです。目指すというと、なにか意志のようなものとも思えますが、それは何かにそうっと、本人にも分からないような仕方で、突き動かされるもののように思えます。そしてその指向性を見えないところで、当事者も分からないところで後押ししているものが愛と呼ばれるものであるようにも思えます。

愛が働きかけ、より明るい方向へと、より輝かしい在り様へと必死で後押しするのではないかと思えてならないのです。そしてそれは、道半ばの暗闇で見失う事があっても、暗い雲の上には恒に明るい光があることを教え続けて止まないのだと思うのです。

埼玉県 原田 洋子

私が、IARPで指導者養成課程の認定試験に挑戦したのは、2016年のことです。

その折には、倉谷先生、近藤先生に熱心で細やかなご指導を頂きました。そこには、先生方の強いご意志を感じ、身の引き締まる思いでした。

私は、2008年から地元埼玉県狭山市にて公共施設や地域の自治会館を使用して、ヨガの指導を行っています。友人の暖かい協力でヨガのサークルを立ち上げたのをきっかけに、今は、4つのサークルにおいて週6回のお稽古をしています。参加者は、地元の中高年の女性が主です。どのクラスも、10名以下の小さなクラスです。私は、1回1回のクラスを良い時間にして、来てくださる方の健康に役立つ内容をお伝えしたいと思っています。

私の探していたもの

私が指導を始めた当初からいつも気をつけていたことは、事故なくクラスを行うということです。安全で、行う体操の内容が有意義であるということが、私の求めていたことでした。参加者のご年齢や体力は様々ですが、概ね、激しい運動は求められていません。参加者のご要望は、身体の凝りや緊張、こわばりをほぐすこと。柔軟になること。その時間、身体を動かすことに集中したいということ。終わった後、身体が楽になること。そして気持ちがリラックスすること等にあるようです。

ヨガのサークルを始めて数年経ったところで、当初から入会されている方が年齢を重ねられているのに気付き、年齢の変化に左右されず健康に役立つ体操、安全で身体の不調を自分自身で改善出来る体操、そして、動きとしても気持ち良い体操はないかと探し始めました。何処かにそれを教えてくれる所はないか、また、指導をしていく上で模範とさせて頂けるような先生に巡り会えないか、と色々なヨガスタジオやワークショップに脚を運びました。そして、巡り会ったのが、本山式経絡体操法でした。ここには、探していたものがあると感じました。

そして、もう1つ、私自身の体験談ですが、IARPに出会う直前のことです。

私は、当時週7回ほど小さなヨガクラスを行っていました。希望が叶ってヨガの指導をするようになったのに、精神的にも肉体的にも、とても磨耗した状態でした。特に木曜日の午前中は 2回クラスがあり、だんだんと溜まっていく疲労に、良くないと思いながらも栄養ドリンクに手がのびるようになっていました。身体に良いはずのヨガを熱心に行いながら、なぜ私はこんなに疲れていくのだろう?と、情けない思いでした。

そのころ、IARPの倉谷先生の水曜日午後クラスに参加するようになりました。するとその翌日、木曜日の朝には、魔法に掛かったように身体が調子よく動くのです。早朝から家事を片付け、サークルの場へスイスイと出かけていける。いつになく身体が軽い。何よりも心が明るい。この違い、この変化、この力は何なのだろう? エネルギーが湧いてくる。昨日、私は、何をしたのだろう?と振り返って考えると、あのシンプルで、優しい動作の体操の効果だと、実感しました。

そして、経絡体操に深い関心を持つようになり、その後養成課程へと進みました。

本山博先生がご研究された経絡理論、そして倉谷先生から教えて頂く経絡、経穴、陰陽五行論等の東洋医学の知識。それらにより、それぞれのヨガのポーズの持つ意味合いや必要性という根拠を知ることができ、興味深く、養成課程修了後も関心は果てることがありません。

現在の活動

サークルに参加される方々に、日常生活に役立つツボや、自分で出来るマッサージを伝えると、とても喜ばれます。私は、経絡体操指導者認定以前から、パワンムクタアーサナと倉谷先生のクラスで学ぶセルフマッサージは、お稽古に取り入れていました。

80分程のサークルの時間、はじめの30分は呼吸法と手足の関節を動かすパワンムクタアーサナを行い、終盤シヴァアーサナで休息する前に、倉谷先生に教えて頂いた耳回りのマッサージを必ず行うようにしています。

先日、サークルに週1回熱心に通ってくださる60代のAさんより、こんな嬉しいお話を伺いました。彼女は、18年ほど前に耳下腺腫瘍の手術をされたそうです。それ以来、片耳とその周辺に痺れが残り、イヤリングをすると痛くて締めることが出来ないので、今までに何個もなくしてきたのだと。でも3年前から、サークルに参加して体操を始めて、ふと気がついたら 耳が痺れていなかったの、だから、わたしは、続けるわよと、笑顔を下さいました。

別の参加者のBさんのお話です。パワンムクタアーサナでは、足首を回すときに、くるぶしの骨の下のくぼみを手で抑えて、足首を回すように指導しています。Bさんは、3ヶ月続けてみて、くるぶしの骨の下にくぼみがあるのが、やっと納得できたそうです。ずっと長年、むくんだ身体の状態を普通の状態だと勘違いしており、むくみがとれて、くぼみが現れて、初めてむくみのない足がどんな足なのか解った、と喜んでおられました。

Cさんは、数年前に乳がんを手術され回復された方です。この方は、術後の投薬の影響で骨粗鬆症の傾向が定期検査のたびに年々増していたそうです。それが、体操を始めて、この2年間検査の数値は横ばいで悪くなっておらず、主治医に何か始めたの?と尋ねられたので、こういう体操をしている、と経絡体操の話をされたそうです。

このような話を伺うと、とても励みになり、体操を伝える者として、もっと勉強して内容を充実させようと、真摯な気持ちになります。

また、サークルに参加される方には、80代の方も何名かおられます。ご高齢の方には、無理せずにパワンムクタアーサナだけでも、しっかりやってください。これだけでも、とても健康の為に効果がありますよ!と自信を持ってお伝えしています。

一方、昨年、経絡に興味をもたれた東京都多摩市の公民館のご依頼で、健康講座の講師をさせていただきました。その講座終了後、有志の方のお声がけで、月2回経絡体操の指導をさせていただいています。自宅で経絡体操法のテキストを何度も読み返し手探りでの挑戦です。

その市民サークルの方々には、「身体が変化した」、「感覚が敏感になった」、「普通のヨガとは違う優しい動きが心地よい」、「近い将来老人施設でのボランティア活動に経絡体操のスキルを活かしたい」、などのご感想を頂いています。

経絡体操をお伝えすることを通じて、社会貢献の一端を担えるのは、とても嬉しいことです。

また、私の方からのアプローチとして、参加者の方に、生活と健康に関する簡単なアンケートを配布しました。それにより、その方の身体の一面を知り、どんな体操、どんな言葉かけが必要か、現実的に私の出来るアドバイスは何かを探して取り組んでいくつもりです。その折にも、経絡体操法のテキストと、本部講師の先生方の長年の指導経験や深い知識からのご助言がとても頼りになります。

IARPは、体操やヨガの指導者、そしてそれを目指す方にとって、とても有益な学びの場であると思います。そこに、確りと根をおきながら、私なりに、参加者の方に喜んでいただけるよう努力していきたいと思っています。

これからの抱負

指導者養成課程修了後でも、指導に関し疑問や自分の知識の不足を感じれば、本部講師の先生方に相談できるという安心感があります。そして、いつも適切なアドバイスを頂き、自信を持って生徒さんと向き合うことが出来ます。私は、IARPという学びの場があることが、今とても幸せです。これからも継続して学んでいこうと思っています。

口下手で、人と関わることが不得手だった私が、本山式経絡体操法という素晴らしいツールのお陰で、色々な方と繋がりを持つことが出来ました。感謝にたえません。 私の取り組みは、地域に密着した、ささやかな活動ですが、これからも精進してこの経絡体操を伝えていこうと思っています。

  • 原田講師は、IARP本部で、土曜日の経絡体操法(2時間)クラスを、月に1~2回担当されています。

2015年度

東京都 村松 智光

1991年の7月に入会しました。体調に不安があり、気功を習ったりしましたが、経絡体操やヨーガをこちらで初めて学びました。今年で25年目になります。ほぼ毎月数回程度、土日を中心に瞑想クラスや体操クラスで教えていただいてきました。普段は、仕事で遅くなったり、付き合いでお酒を飲んだりと、あまり行をする時間をとらず、どちらかというと不摂生な生活で、土曜日だけクラスに通ってリフレッシュするという感じの生徒でした。それでもクラスになんとか通い続けているうちに、若干ですが体のコントロールが前よりできるようになったり、意識していなかった自分の心の一部が少しわかったりして、日常生活でも心が楽になったり、より前向きに仕事ができるようになったり、また自分をよりコントロールするようになったりと、行の効果を実感することがあるので、続けてこれたのかもしれません。

数年前に近藤先生に経絡体操の資格を取ったらと勧められて、迷っていましたが、2013年に思い切って資格取得に向けて取り組むことにしました。改めて、近藤先生や倉谷先生に教えていただき、長年やっていた体操もかなり自己流の部分があることに気づき、それらを矯正しながら毎日少しずつ練習をすることによって、体調も以前よりよくなり、改めて体操の効果を知ることができました。

2015年の春から、IARP本部で、経絡体操法クラスでの指導を担当しています。私が担当するクラスでは、参加いただく皆様が、継続することによって効果が実感でき、それがさらに継続につながり、さらに効果が深まるというよいサイクルができるよう、基本的な体操を中心に実施していきたいと思います。

皆様とともに精進して、ともに地球社会の実現に貢献できるような人材になれるよう努力したいと思います。

宮崎県 野中 智美子

子供が大学に入り、子育ても一段落した時に、更年期障害も重なり体調を崩してしまいました。そんな中、健康な身体を取り戻したいという思いで、週1回のヨーガクラスに通い始めたのが、ヨーガとの出会いの始まりです。

IARPの近藤紗登美先生に出会う前に、ヨーガを8年間習っていました。その中で、日本ヴィヴエーカナンダ・ヨーガ研究財団主催のヨーガ療法士の勉強を3年間しました。

近藤紗登美先生の宮崎教室には、2011年5月から参加するようになりました。先生が宮崎に来られるのは月1回ですので、仕事を調整しながら必ず参加していました。私は25才の時に、盲腸で腹膜炎になり、悪い事に手術が失敗して2回手術しています。その事もあり、ヨーガも「矯正体操があったらいいのに」と思っていました。近藤先生のクラスに初めて参加した時に、自分が求めていたヨーガに出会えた気がして、夢中になり今日にいたっています。

そんな中、近藤先生から指導者へのお話もあり、本部研修の経絡体操法集中セミナーに参加する様になりました。遠い宮崎からの参加でしたが、2日間のカリキュラムは、私にとって有意義なものでありまた参加したいと思いました。また、本部研修では倉谷清美先生との出会いもあり、二人の先生からご指導いただく中で、より一層指導者を目指す気持ちは強くなりました。

指導者を目指すにあたって、明確な目標を決めました。遠方からの研修参加、仕事をしながらの勉強ということで、コツコツとやるより短期集中での勉強で、2年後に合格する目標設定をしました。

そして、まず取り組んだのが、経絡体操法指導者実習セミナーへの参加でした。しかし、これまで習って修得してきたものも、指導する立場になると全くうまくできず、落ちこんでしまったのを覚えています。このセミナーを経験し、指導者側の自分の力のなさを痛感させられましたが、一方今後の勉強の取り組みの方向性が見えた気がしました。

指導者実習セミナー後、再度勉強方法を考え直し実行しました。矯正体操とアーサナに分けて
① 矯正体操は1つの矯正体操を一週間通してする。
② アーサナは、全部のアーサナが一週間で全部勉強できるようにする。
というように、一週間単位で勉強し、確実に習得することを目指しました。平日には本を読み、休日の午前中に体を動かす。また、パワンムクタアーサナは毎日声を出して練習しました。勉強を進めていく中で、毎日大変でしたが、自分の自信にもなって、頑張って良かったと心から感謝しています。

指導者への道を志し、そして今回、経絡体操法指導者として認定をいただくことができ、私の人生の可能性は大きく広がったと思います。

今年6月に市役所から、生涯学習ボランティア指導者認定を受け、11月から週1回の全10回コースでヨーガの指導することになりました。

本山式経絡体操法を、この宮崎で広めていけるよう、一人でも多くの方に健康になっていただけるよう、頑張っていこうと思っています。

御指導いただきました、倉谷先生・近藤先生、伊東さん、IARP本部の方々に感謝申し上げます。今後とも御指導の程、御願い申し上げます。

2014年度

東京都 野村 友美

経絡体操法との出会い

私は、東京自由が丘のピュールスパというサロンで、長きに渡り、カウンセラー・セラピスト、そして併設する施療院で骨格調整師としてクライアント様の心身のケアをさせていただいております。

お越しになるお客様は、主婦の方から経営者、医療関係者など、まさに自己管理が必要な方々が多く、こちらとしても指導法の研究に余念がありません。

私個人としても、自分自身のメンテナンスや健康法には関心が高く、楽しみながら生活の中に取り入れるのが好きでした。しかし、運動は好きで得意でもあった私が、唯一苦手だったのが、「体の柔軟性」に関する動きです。そのためか、氣の滞りを感じるような頭痛が起こることも時々ありました。

ある日、「野村さんに役に立ちそうな体操法がありましたよ」と、スタッフ間の情報交換の中で紹介されたのが、IARP『経絡体操法』です。

体が固いことを自負している私は、「ヨガ」「体操」「瞑想」などは嫌いではなかったものの、それを行う際の形式(坐ること)が苦手で、あまり積極的に取り組んでいなかった分野でしたので、「私には難しいかも」という固定観念が働き、緊張しながら体験会に向かったのが最初でした。

体験してみると、体操が終わった時の気持ちよさと、体の柔らかさに感動し、深く学びを進めていきたいと素直に感じた私は、無謀にも、指導者養成課程を志望させていただくことにしました。

指導者養成課程を終えて/抱負

学びたい気持ちの大きさで指導者養成課程を志望させていただいたものの、現実的なことを考えると「小さいころから柔軟性が少なく体が固かった私が指導者レベルになれるのか」と、急に心配になってきました。

そのことを先生方に相談すると、「体が固いからこそ、同じように体が固い方の気持ちがわかるし、工夫をすることによって指導するときに幅もでてきますよ」という励ましの言葉によって背中を押していただきました。

経絡体操法は、ひとつひとつの動きはとてもシンプルですが、ほんの少しの体の向きや、意識のかけ方で、働きかける箇所や効果が変化する奥の深いものです。

皆様に協力していただいたことによって、1年という最短でカリキュラムを取得することができた経験は、「多くの方に支えられていること」を深く実感し、結果的に、万物のつながりや氣の巡りを深く学ぶ機会となりました。

私にとっては、経絡体操法の技術を超えた学びを得る機会となりましたことに、深く感謝申し上げます。

今後の目標

現在、スパのお客様を中心に経絡体操法をご指導させていただいております。疲れにくい柔軟な心と体をつくるということにしっかりと役立てているという実感があり、とてもやりがいを感じております。

体が固いと悩んでいる方も多く、「体が固いからこそ、同じように体が固い方の気持ちがわかるし、工夫をすることによって指導するときに幅もでてくると思いますよ。」と、背中を押していただきながら学んだ経験が役に立つ機会が訪れたことを嬉しく思います。

苦手なことをストイックに克服するという形ではなく、「自分の苦手なことをポジティブに工夫していくことで自然な形で長所に変えられていく喜び」を、これからも多くの方と分かち合っていきたいと思います。

あらためて、本山博先生、ご指導いただきました本部講師の先生方には心より感謝申し上げます。

今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

英国 宮田 佳

日英で超作ヨーガの実践―地球社会と本山博先生の教え―

IARPのことを知ったのは2011年のことです。英国に住んでいるので、クラスに参加できるのは、年に1、2回日本に来る時だけなので、その間 になるべく多くの機会を持つ様にして勉強させて頂いております。

若い頃から舞台芸術関係の活動をしており、そのため仕事で忙しく日本と海外と行き来していたので、心身の健康管理やコンディショニングには大変神経を使っており、定期的な鍼灸マッサージはかかせませんでしたし、色々なセラピーをトライしてきました。ヨガや気功もある程度は学んでいました。身体とこころは一体であり、こころの向け方、 気/プラーナの意識がとても重要であると実感していました。

ある時、撮影のため同じ動きを長時間繰り返したことから肩を痛めてしまい、そこから四十肩で肩が動かなくなってしまいました 。当時はすでに英国に落ち着いており、はじめてヨーガセラピーを受け、無理無く マイルドで深いアーサナと、自分の意識と呼吸で患部を癒して行く瞑想的なヨーガに、今まで自分のやってきた心身相関の探求が、ヨーガに最もあることを直感しました。それまで20年以上駆け足で全力をつくしてきたのが、年齢的にも舞台活動やツアーが心身ともにつらくなってきたところだったので、仕事をやめる決心もしました。そしてしばらくその英国人の先生のヨーガセラピーとプライベートレッスンを続けながら、また他の先生のクラスやチャンティング、瞑想のクラスにも行くようになりました。そしてどちらかというとアメリカ系のエクササイズ的なものではなく、心身両面でのヒーリングと 、より霊的に成長し、瞑想を深めて行けるようなヨーガを求めるようになり、ヨーガ教本や古典ヨーガの本を読むようになり、ヨーガの世界が広がって行きました。

そうしてヨーガを学ぶうち、 マントラや音に霊的な力があること、人間に自我以外に霊的な魂があること 、非二元的思考、カルマや輪廻転生、 等々は西洋の人々が 迷信的に片付けるか、一生懸命理解しようとしても、どうも言葉と理屈で理解が難しそうなのが、 瞑想のクラスや質疑応答などから感じられました。これらのことは日本人である我々にはなんとなくでも普通に受け入れられることだし、日本人としての生活、信仰、意識になにかしら染み付いているような感覚ではないか?と感じました。

空海の身口意の真言密教、仏教の教典に出てくる瑜伽行、禅=ディヤーナ、梵字はサンスクリットだし、ヨーガと仏教を通してインドと日本の繋がりにも興味が生まれ、 そしてそこのところをより探求したいと、インターネットで色々とリサーチし、本山博先生の「密教ヨーガ」を見つけ、 書評を読んでピンときました。早速IARPのサイトを見たところ、実家の吉祥寺のすぐ近く。 早速次回帰国した際に、経絡体操のクラスに参加しました。まずパワンムクアーサナからはじまり、その時点で、ここで大正解!と思いました。というのも、英国でのアーユルヴェーディク・ヨーガセラピーのワークショップで、まず関節柔軟法としてパワンムクタアーサナを教わり、先生が「とにかくこれを2週間続けてみて下さい、自分で効果がはっきりわかるはずです」と言われ、続けたところ、肩こりなどの不調がなくなり、今まではよくマッサージを受けていたのが、不要になってきましたので、効果は実感していたのです。

はじめて受けた倉谷先生のクラスでは、パワンムクタアーサナから、徐々に ゆったりとしたアーサナ、それに季節や各自の 体調に合わせた經絡やツボ刺激、仙骨股関節矯正体操なども加わり、倉谷先生の参加者ひとりひとりへの細かい心配りのあるご指導でした。ヨーガアーサナだけでなく、仙骨股関節矯正、 經絡やツボとの関連も総合的に勉強でき、自分の学びたいことのすべてを含んでいました。日本と英国で行ったヨーガクラスのどれとも全く違う内容の濃さと別次元の雰囲気がありました。来ている方も様々で、病後の方 、精神的につらい方もおられ、癒される方も癒す方もその真剣さの違いでもあり、当時はそこまで気づきませんでしたが、いわゆるヨガスタジオと霊的な場の波動の違いなのだと思います。

英国に戻ってからも、本山先生とIARPに近いヨーガを学びたく、先生ともご縁のあったスワミ・サッチアナンダのビハールスクール 系のところを探しました。運良く住まいのある町から電車で一本、といっても2時間半くらいかかりますが、サッチアナンダ師の直弟子のスワミの アシュラムを見つけ、行きはじめました。このスワミは英語のサッチアナンダ師名義の本を何冊も書かれており、しかも 師へのバクティとカルマヨーガに徹して自分の名は出さず謙虚におられるすばらしい方です。本山先生のご研究や著書もよくご存知で、そのお陰で私もとても歓迎していただきまして、今でもアシュラムに行く度に本山先生やIARPでのことをお話したりします。 こちらでも、やはり体操はパワンムクタアーサナで始まります。瞑想のためのアーサナとプラーナーヤマ、そして色々な瞑想とチャンティング、またカルマヨーガとしてアシュラムでの作業もあります。世間と隔絶した自然の中で自分と向き合う大変いい機会で毎回気づきを深めることができます。ここのサッダーナホール(瞑想をするホール)はIARPの瞑想センターと同じ霊的に清浄な雰囲気があります。異国に暮らしていても何か日本的というのか、ふるさとへ帰ったような、落ち着いた気持ちがいたします。

そうして 自分の求めていたヨーガを日英で学ぶことができるようになりました。

日本に居る間は毎週経絡体操のクラスに行くようになり、その度に伊東さんに色々教えて頂いて本山先生のご著書を読みはじめました。

子供の頃から、幽霊は本当にいるのか?に始まり、霊現象、超常現象、死後の世界はあるのか?といったことから、宗教と神秘学などにとても興味があり色々本を読んだり、人の話しをきいたりして来ました。ヨーガと東洋医学だけでなく、本山先生のご著書には自分の探求してきたことの全ての説明や思考の鍵が網羅されており、 目の前に知のドアが開かれていくような感じでご著書を読んでいきました。インドや欧米はじめ50年以上前からグローバルであられた先生の著作には、国家や民族の文化、風土による宗教観や精神性、普段の生活での思考回路の違いなども書かれてありますし、先生の体験談なども含め、とてもわかりやすく書いてくださってあります。長年海外生活から常に自分の中にある 日本人とは?西洋と東洋の違いはどこからくるのか?一方でまた世界共通な普遍的なものもある、それは一体……?といったテーマや 疑問にも、なるほど、そういうとこからきているのか、と納得できました。

一方、当時は日本に来るたびに実家の整理という大仕事がありました。私の生まれる前から長年住んで来た実家の整理で、ご先祖からの遺品整理が沢山あり、 物質的な整理だけでなく、きちんとした形で土地家屋を整理していかなければという亡きご先祖への責任まで、すべて私の肩にのしかかっていたので精神的にも肉体的にも本当に大変な時期でもありました。

そういう時期に 玉光神社の清冽な神気のなかで経絡体操のクラスに参加できたことは、どれだけ心身共に癒され、お力をいただけたことか計り知れません。倉谷先生にはクラスのたびに、その日その日のコンディションにあった体操や瞑想での心のあり方など適切なご指導をいただき、時にはクラスの後にアドバイスをいただき随分と助けていただきました。

本山先生の「死後の世界と魂 土地の神々」「愛と超作」等を読み、土地のことやカルマのこと、親やご先祖のことなどに思いを馳せながら、自分に課せられた現実をポジティブに受け取り、自己中心ではなく、亡くなった祖父母、両親、ご先祖が喜んでくれることを考え、支えてくれる周りの人に感謝しながら働くよう努力しました。

次第にクラスの前後には玉光神社で手を合わせ、今この時、 勉強の機会を与えて頂ける感謝の祈りを捧げるように自然に変わっていきました。

始めてIARPに行った時は何も予備知識がなかったのですが、当初クラスの後一緒に帰った方から、本山先生は海外のヨギーにも多大な影響を与えておられ、アメリカで有名な陰ヨガのポール・グリリーやサラ・パワーズも本山先生のところに来ていたこと等教えて下さいました。当時はこの2人のことは知りませんでしたが、数年後、サラ・パワーズの集中講座がロンドンであったので参加しました。大きなスタジオがいっぱいな人気でした。そういった経過で、その後彼女の自著Insight Yogaを倉谷先生がお訳しになる際、微力ながらお手伝いさせていただき大変よい勉強の機会を与えていただきました。翌年にはロンドンでポール・グリリーの集中講座もありましたが、何ヶ月も前に定員に達してしまい残念ながら参加出来ませんでしたが、その人気ぶりに驚きました。

本国アメリカのみでなく、世界中で教えているヨギーですが、その二人とも著書の中では本山博先生への献辞と、ご著書からの引用をしています。

その他でも英語で出版されている、チャクラやクンダリーニ関連のヨーガ本には必ずと言っていいほど、レファレンスにはDr. Hiroshi Motoyamaの著作や本文への引用が出てきます。

そうしてだんだん自分が習い行う自分の為のヨーガだけではなく、少しでも人の為になれたら、特に経絡体操はお年寄りや心身の丈夫でない方にとてもいいですし、本山先生の霊的進歩の為の教えは現代社会において世界的に必要なもので多くの人が「モノ」の世界の価値観から抜け出して、お互いに生かしあい、成り立たせることのできる地球社会の実現、???せっかく日本人として,日本で本山先生の教えにふれることのできている自分ですので、その一端を少しでも何か社会の役に立てたら、と思う様になってきました。

当初は指導者を目指してはいなかったのですが、前年指導者認定を受けられた先輩の山中路子先生から勧められて受けてみる気になりました。それからは倉谷先生からも色々とご助言いただきつつ、 英国でも自習しました。が、日本に帰ったときに指導者養成 のクラスに出たところ、やはり長く間があいてしまっていて仙骨股関節矯正体操と重心安定体操がよくできなくて、焦りました。それで山中先生にも特訓していただき、また家でも夫や友人に練習台になってもらって実践を積み重ね、試験に合格することができました。

2014年の3月、英国に帰国する前日、玉光神社に参拝させていただいた際、本山先生と偶然にもお目にかかることができました。指導者認定をいただいたので、今後日英で經絡体操を教えて行きたい旨をお伝えしましたら、「イギリスはどこ?英語で教えるの?それは大変だね、頑張って」とおっしゃって、先生の英国での想い出などをお話くださり、合間には何度も「頑張って」と励ましのお言葉を頂きました。

実は「本山先生に試験に受かったご挨拶ができて、 一言、頑張って、といただけたらなあ」とずっと思っていましたので、それがすぐに実現してありがたく夢のようでした。翌日のフライトの中でもずっとその光景を心に描きながら日本を旅立ちました。

先生の御本にも、素直な気持ちでお祈りすること、自分のための小さいお祈りではなく、大きいお祈りをすること、とあります。

私は 「經絡体操の試験に受かりますように」とか「本山先生に会えますように」などと個人的なお祈りしませんでした。「 いつもこのすばらしい機会を与えてくださりありがとうございます、試験のために一生懸命勉強します、そしてもし自分にその力があるなら、経絡体操を教える事ができたらと思っています」と、この教えの場と機会を作ってくださった神様と本山先生に感謝のお祈りをしてきました。そのように自然になれたのも本山先生の教えのお陰です。だから見えない力が、あの素晴らしいタイミングで神社のお守りと共に本山先生と会わせてくださったのですね!

その後、色々なよい縁の繋がりがありました。

英国に戻ってすぐ、たまたまロンドンのヨーガスタジオで、 日本人の先生のワークショップがあり、参加しました。その方の師は本山先生とも知遇のある有名なヨギーでしたが、私が本山先生やIARPでの倉谷先生のクラスのことを話したら「やっぱり 本山先生は学者だし知性のレベルが違う」とおっしゃり是非日本に行ったらクラスを受けてみたいとのことで、ご紹介しました。その後、経絡体操クラスに出られたそうです。

またそのロンドンのスタジオを主催するのが、日本のお寺で修行したイギリス人禅僧で、その方も本山先生のご著書も読んでいて、“Dr. Motoyamaには大変興味を持っているから、是非教えに来て欲しい”と言われ、経絡体操のワークショップを行いました。初めてイングランドで英語の経絡体操クラスでしたので、ちょっと緊張しましたが、事前に倉谷先生にSkypeでアドバイスをいただき、当日は本山先生の「頑張って」を思い出して心を整えました 。皆さんにも喜ばれ、いいクラスになったと思います。ロンドンは遠いので頻繁にはできませんが、ここでは今度はヨーガティーチャー向けの特別ワークショップを依頼されています。

またアシュラムで出会った方とお話をしている際に、日本でもチャクラ瞑想や東洋医学と融合したヨーガを学んでいて……、等と言うと「え、もしかしてDr. Hiroshi Motoyamaですか?!」と言われ、AMIをやってみたいものだが日本は遠くて行けないなあ、とか、お勧めの著作はなんでしょう?と大変興味を持ってきかれました。

また長くなるので詳しくは省略しますが、 平安時代よりのご先祖それぞれの 詳しい史実がわかってきて、 藤原家、空海、高野山、天台宗、親鸞、浄土真宗との繋がりがわかりました。

鎌倉時代から代々住職をしてきたお寺もわかり、今もずっと続いて同じ姓の遠い親戚が継承しており、お寺に参って、会う事ができました。

今回は日本滞在中に開山1200年記念の高野山に行ってきました。宿坊に滞在し、食事をだしてくださった若いお坊さんとちょっとした会話から、やはり同じように,こういうヨーガを習っていて……と言ったら「本山博先生ですか?」というところから話しが盛り上がりました。本山先生のカルマと輪廻転生に関しての著作を読んでいて、やっぱり御自身の行と体験に基づいているというところが凄いし、説得力があり自分は納得できた、と。 また本山先生が宗教者で研究者で学者であって、それだけでも凄いのだが、かつ行者でもあって、その霊能力を人を助けるため、世の為人の為に使っておられる、というところもすごくて、自分も将来は山を下りて人々の為になるようなことをしていきたい、ともおっしゃっていました。片づけの途中で長話になってしまい、他の方が様子を見にきてしまいましたが、お坊さんも本山先生のところで実際に行をしている方には会ったのは初めてだし、もっとお話したかったです、とおっしゃってくださいました。

こうして国内外での本山博先生の業績と教えが真剣にヨーガ,瞑想に励む人には深く広く浸透しているのだと実感しています。

宗教学、哲学、 工学等の学者としての古今東西様々な分野の学識、東洋医学、超心理学超常現象の 研究者としての実験やデータに基づく臨床的な研究と分析、ご自身が行をなさった実際の経験からのクンダリーニ、チャクラシステム、瞑想等の ヨーガの段階的分析とその具体的な指南 、その上霊能者としての実体験に基づく目に見えない世界の叡智、と これだけの叡智が一人の人間の中に包括され得、その上、それを世界と人々のために惜しげなく与えておられる偉業に、ひたすら感服し、より深く学び続けたいと思っています。

また、今やガラパゴスとも言われる内向き日本ですが、本山博先生は何十年も前から、英語での論文や著書が多数、各国での講演、とグローバルに活躍なさっていました。そしてその真の叡智が、やさしく慈愛をもって人々へ向けられている、それ故に、世界各国にしっかりと浸透していることを国内外で実感しています。

マンスリー463号「本山先生を囲む会」よりに、“人間は自由な意思を持っている。ところが、それを悪用すると,今のようなヘンな世の中に、魔の世界になってしまうわけですね。愛とか知恵とか、他人へのおもいやり、他人を助けるというように、自分の意志を働かせて、人のためにも社会のためにも働けるようになれると、世の中うまくいくのです。けれども自由意志を自分のためだけに、都合のよいことだけにつかうようになると、みな自分だけ凝り固まってしまうわけですね。” とあります。2009年のお話ですが、その後、どんどん世界的にこの方向に向かっています。国家間のパワーの拮抗、極端な思想によるテロリズム、 消費社会で疲弊しながらも目先の享楽に流されて行く人々、このままでは一体どうなってしまうのだろうと危惧します。そのようなカリユガの時代だからこそ、本山一博会長がマンスリーに書いておられた、”超作ヨーガの普及”、”超宗派的な良心の探求”は最重要な課題であると思います。

今は経絡体操/ヨーガを定期的に教えることはしていません。学べば学ぶほど、まだまだ自分の勉強が足りないと自覚し、もっともっと勉強したいので、英国では第一のアソシエーション、ブリティッシュ・ホイール・オブ・ヨーガのコースで古典ヨーガを理論と実践両面から英語でしっかりと学ぶ事と、オックスフォード・ヒンドゥー・ソサイエティーで古典インドヨーガ哲学を受講しています。学問はつきることのない泉のようなものだ、と亡き祖父がよく言っておりました。

日本に居る間は、 自宅で友人知人に経絡体操と瞑想の会を開いています。代金は寄付金として、千葉の婦人保護施設に送っています。英国では、ワークショップとして、ご縁のあるところに単発で教えています。今後英国でもチャリティーヨーガクラスを開きたいです。またパフォーミングアーツの場では、経絡体操と以前やっていたダンス表現を組み合わせたボディー&マインドのワークを通して、レスター大学の電子音楽の教授や大学院生と実験的な舞台作品を作ったりしました。大学の研究プロジェクトなので、予算はありませんでしたが、 いいと思ったことはボランティアでやっています。

40肩の原因になったドイツ人の映画監督ですが、彼もその後私と同じ時期にヨーガの道に入り、ヨーガセラピーの父とも言われ、アイアンガー師やパタビ・ジョイス師のグルであったクリシュナマチャリア師を中心にしてインド古典ヨーガが、近代どのように西洋に広がっていったかというドキュメンタリー映画「The Breath of God」を製作しました。貴重な映像を含んだとてもいい作品でしたので、是非日本でも紹介したいと願い、日本での公開と日本版DVD製作にむけて、日本の配給会社とインディペンデントシネマを色々あたって橋渡しのコーディネーションをしました。来年はバーミンガムに日本のアーティストを招聘し、作品制作をするプロジェクトを無償でやっています。以前の自分でしたら、こういうことは全て代価の伴う「仕事」でしたが、今は自分の過去のキャリアが何か役立つ事だったら喜んで関わっていっています。

「経絡体操法、瞑想、超作を通して、一人一人の心・身・霊(魂)が、健全でバランスのとれた状態を体得し、更に、世界平和と地球社会の実現を目指す」という理念は壮大で、一個人が世界平和と地球社会の実現なんて……と思いがちですが、Think global. Start local. (グローバルな視野を持ちながら、身近なところから始める)をモットーに自分なりに出来る事を精一杯していきたいと思っています。

長くなりましたが、この道に導いて下さり、支えて下さった皆様にこころより感謝いたします。

群馬県 仙石 政也

2013年4月から、IARP群馬支部長を島田さんから引き継ぐことになり、経絡体操法指導者の認定取得にチャレンジすることになりました。

養成課程に申し込み、本部での受講を始めましたが、2つの大きな課題が見えてきました。 1つは、IARPの会員になって20年近くなりますが、最近は本部での講習会に参加する機会が少なく、有効な単位が一桁で受験に必要な50単位まで程遠い状態でした。当時は、本部から1時間以内の移動距離の所に単身赴任していましたが、近々群馬に戻ろうと考えていましたので、約1年で40単位以上取得し1回で合格する目標を立てました。もう1つの課題は、指導を受けた先生から指 摘された体の歪みの修正です。体操を覚えても、指導するときのお手本が歪んでいるようでは合格できそうもないと思われました。単位の取得については、土曜日の体操と瞑想の両方のクラスに出席しました。また集中セミナーやワークショップに出席することでまとめて取得することができました。

体の歪みについては、6月の経絡体操法集中セミナーでチェックシートを使い、参加者がお互いの体の歪みを確認したり、元になっている生活習慣を振り返ったりしました。このセミナーを通じ経絡体操法のテキストの全貌を理解でき、自分の体の状態を観察しながら体操を行えるようになりました。

9月の指導法コーチングセミナーには、テキストの内容をマスターした状態で臨みましたが、体は動かせるものの具体的な言葉で説明することの難しさを痛感しました。そこで会社でプレゼンするときの事前準備で、説明内容を箇条書きにして練習したことを参考にして、経絡体操法のテキストを口語の箇条書きにしてシナリオを作成することにしました。また、通勤時に音楽プレーヤーで英語を学習したのを参考に、シナリオを読み上げて録音し通勤時間に聞いて、具体的な言葉が自然に出てくるよう練習しました。

以前から朝食前に経絡体操を行っていましたが、内容に偏りがあり、テキストに掲載されている体操で、うまくできないものがありました。そこでテキストの目次で体操の項目を書き出し1ヶ月のカレンダー形式で一覧表にして、月毎にテーマを決めて重点的に行いました。

指導の模擬練習として、群馬支部の例会で教える機会を持つことができました。最初は、体操のポイントを具体的な言葉にすることが出来ず、私と同じ様に行ってくださいという風にしか指導できませんでしたが、何回か教える内に本部での体操クラスで習ったポイントをだんだん説明できるようになりました。群馬支部の皆さんからも指導方法が上達してきたという励ましの言葉もいただき、実技試験への心構えができて大変感謝しております。

認定取得までを振り返ると、この1年で多くの本部講師の指導を受け、本山会長の理念が経絡体操を通じでそれぞれの方法で体現されていることを経験でき、体操の知識が身についてだけでなく、自分自身の体と心のバランスが整い、一段レベルアップできた実感があります。また、取得後まもなく単身赴任を終え群馬に戻りましたので、現在は月例の支部例会で指導させてもらっています。例会では体操の後に瞑想を行うので、体操を通じてリラックスしながら自分の体の状態を観察し、さらに心の状態を観られるようにして、より充実した瞑想につなげたいと思っています。そして、今後は群馬支部の有志で体操や瞑想の機会を増やしたいと考えています。

(*)「1ヶ月のカレンダー形式での経絡体操法一覧表」はこちらからダウンロードできます。

2013年度

三重県 田中 順子

私は現在、三重県四日市市の鍼灸院にて、患者さんに最良の診療ができるよう、裏で支える仕事をしています。診療助手、掃除洗濯、経営、臨床結果のデータ整理や医学論文の収集等々。残念ながら「寝食忘れて」とはほど遠い「寝食ままならない」レベルではありますが。

私たちの仕事は、心身が自力で回復しようとするのを助けることです。患者さんの、肉体的な歪みと体内の生理活性物質の状態、気の偏差やチャクラの状態、精神的な問題点を、統合的に診察して治療をし、養生法として、食養や経絡体操法などを患者さんに指導しています。経絡体操は、関節のこわばりを取り除いて可動範囲を広げ、体の歪みを矯正し、気血水を全身に充足させるのにとても有効です。院長が三十年ほど前からIARPの会員で、本山先生の講義を目の前で受けてきていますが、私自身も本山先生の教えをもっと吸収し、診療に生かそうと思い、「指導者養成過程」を受講しました。いつかは経絡体操法と一緒に正しい瞑想法も伝えていけるようになりたいと思っておりますが、自分の問題も多く、道のりは遠そうです。

私が本山先生の説かれる生き方を目指すようになった、始まりは、自身のアトピーを治すためでした。私は、十四年ほど前、幼少の頃からのアトピーが急激にひどくなり、体の中まで痒くて痛くて気が狂うかと思っていた時期があります。自分の血と皮膚の粉にまみれ、生臭く、掻いて叩いては、山のように落ちた皮膚の粉をかき集め、何でこんな目にと、恨んだり怒ったり。通勤電車では顔を上げることができず、惨めな毎日でした。

そんな状態が二年ほど続いていたある日、今の勤め先の院長と縁ができ、「治したいなら滝行に行くか?」と言われ、岐阜県の、とある落差三十二メートルの滝に、早朝まだ暗いうちに連れて行かれました。寒くて怖くて何も考えられず、半べそをかきながら、ただ言われるままにお参りと作法をし、水の壁に押し込まれました。入ったら「力を抜け!」と言われましたが、抜けず、息もできませんでした。

その後生活は一変しました。神様に心を向けるようになったのです。家に神様を祀って、氏神様にお参りに行くようになりました。週に一度は岐阜へ滝行に行き、滝と神様と自分が一つになるように入ります。それから食事を変え、ひたすら体を使うことを始めました。とにかく、体の中の水を動かさなくては治らないとのこと、毎朝海まで日拝しに走ったり、何日も歩いたり、海に浸かったりしました。汗や塩は沁みて辛いのですが、今の自分から抜け出したい一心で、がむしゃらにやっていました。それから本山先生の本も少しずつ読み出し、本山先生が、どこへ向かって、どのように生きていけばよいとおっしゃっているのか、次第に腑に落ちるようになり、そのように生きていきたいと思うようになったのです。

体の状態が良くなるにつれ、やみくもに体を動かすのではなく、経絡体操や合気道などで、力を抜くよう努め、自分の中心重心や丹田、気の流れなどを意識するようになりました。心と体は一体で すので、あちこちに激しく動きまくっていた不安定な心も、少しずつ、落ち着いてきました。怖いことから逃げずに、神様に助けてもらって都度乗り越えようと努めました。そのような生活を続け、今、痒くないと自覚できた時の嬉しかったこと! それから会社を辞め、本山先生とご縁のあったこの鍼灸院に勤めることになりました。

なぜアトピーが酷くなったかといえば、それはやはり心の持ちようかと思います。アトピーは、自分自身をコントロールできずに自分を攻撃することですから。そして、我が強く、感謝の心がない私に、そういう間違った生き方だから、自分自身がコントロールできなくなるような事態に陥ったのだろう?と、神様が、本山先生が、この十二年余かけて、言い聞かせて下さったのだと思います。

今も修行を続け、アトピーはこの一年ほどで、最後の難関だった頭や顔、首も良くなり、普通の皮膚をほぼ取り戻しました。が、私はまだ自分のことで精一杯で、感情のコントロールもできておらず、ちょくちょく般若の顔にもなりますし、泣きべそも掻きます。浅はかで、文句も愚痴も言います。自分のとこより隣の芝生が青くて落ち込んだり、向かいの芝生が黄色いようでほっとしたりします。でも、そういう心を持っているのは、胸が締め付けられて嫌です。どこの芝生の芝も、同じように愛で、育てられるようになれたらいいなと思います。自分を離れ、欲なく愛の心で、一心不乱に本山先生の教えに従って患者さんを導いていけたらと思います。でも、寝食忘れられないような私には、簡単にはできませんので、やはり、お行が、しっかり要りそうです。瞑想も然り。痒かった頃はじっと座って居られず、痒みが無くなってきた今日この頃は、坐法をとったら即睡眠で、いけません。

魂が成長するようにと、その道は始まったばかりです。その道から外れないよう、精進していきたいと思います。これからも、どうぞご指導よろしくお願い致します。指導者の認定を頂くにあたっては、倉谷先生、近藤先生、伊東さん、IARP本部の方々には本当にお世話になりました。ありがとうございます。

千葉県 山中 路子

2003年に、主人の転勤で札幌に転居した事が、私とIARPとのご縁の始まりでした。 東京のヨガ友達から「札幌にヨーガと瞑想を教えている、素晴らしい先生がいるよ」との噂は聞いておりましたので、早速『北海道瞑想ヨーガ協会』を訪ねました。 (表札の表示はこのようになっておりましたので、私はここがIARPの札幌支部だという事を、しばらくの間知りませんでした) 中からは支部長の塚本先生が現れ、「クラスは誰にでも出来るゆったりしたヨーガで、東京から来た人には物足りないかもしれないけど、興味があればいつでも受けに来てください」と仰って頂き、早速次の日にクラスを受けに行きました。

1回目の感想…うーん、確かに私には物足りないかも。 2回目…たまには、こういうゆったりしたヨーガも気持ちいいなあ。 3回目…その不思議な瞬間はやって来ました。アーサナの途中で、突然体の奥から温かいエネルギーが湧き上がり、体中に光の波が広がって行くのを感じました。

その時はまだ、本山先生のご著書を拝読したこともなく、経絡やチャクラの知識も無かったのですが、理屈ではなく、初めて『魂』が歓喜するような感覚に包まれたのを覚えています。

それからは、出来るだけ塚本先生からヨーガを学び、体得したいと思い、毎日のように通いました。 そんなある日の帰り道、ふと立ち寄った本屋さんで、1冊の本が金色に輝いているのに目が止まり、吸い寄せられるように手に取ると、それが本山先生の『密教ヨーガ』だったのです。 私はその晩一気にその本を読み、私の求めていたヨーガの全てがこの中にある!!と、直感したのです。

そしてあくる日、『密教ヨーガ』に出会えた喜びを、塚本先生にご報告すると、塚本先生は嬉しそうにニコニコ笑いながら、 「その本を書かれた本山先生が、私のグルだよ」 と仰ったのです。 私はあまりの驚きで声が出ませんでしたが、これは偶然ではなく、札幌で塚本先生に出会えた事、『密教ヨーガ』が手招きするかのように、光を放っていた事、確かに神様のお力によって、お導きいただいたんだなーと、深く実感致しました。

私が札幌に居たのは、ほんの10ヶ月だけですが、その間に起こった数々の奇跡は、神様のお力を実感させて頂いた尊い経験として、私の魂に深く刻まれております。

その後、私は主人の転勤で、今度はマレーシアへ転居したのですが、なんと!遠く離れた異国の地 マレーシアでも、本山先生に関する不思議な出会いがありました。

マレーシアにはインド系住民も多く、毎年インドフェスティバルが行われ、何百何千というブースが出店して、大変な賑わいをみせます。

そのお祭りの中、ある瞑想団体のブースの前を通りかかった時、中から鋭い視線でじーっと私を見ている、50代ぐらいのインド人男性と目が合いましたが、気味が悪いので、無視をして、足早に人混みの中へ。 30分程買い物を楽しみ、そろそろ帰ろうかと思った頃、あの男性が息を切らしながら駆け寄って来て、 「やっと見つけたよ~。私は君を捜していたんだ。とにかくお茶を一杯、一緒にどうだ?」 と誘われましたが、私はわけがわからず、見ず知らずの男性ですので、もちろんお断りしました。 しかし彼は、私とどこかで会っているはずだと言いだし、

「君は何をしている?何者なんだい?」と尋ねたので、
私「今はマレーシアに住んでいますが、日本から来たヨーガ教師です」
イ「君はどのアシュラムで、ヨーガを学んでいるのか?君のグルは誰だ?」
私「ドクター モトヤマのアシュラムで学んでいます。私のグルはドクター モトヤマです。」とお答えしました。

すると彼は、突然手を合わせて、マントラを唱え、祈り始めたのです。 そして、お祈りが終わると、私の手を取って、

「いいか、君のグルは、今この世界に生きておられる、最も優れた聖人のお一人だ。 世界中にグルはたくさん居るが、本当に聖人と呼べるお方は、ほんの数人しかいない。 その中のお一人と、同じ国に生まれ、同じ時代に生き、同じ言語で、教えを受けられる事が、どんなに光栄な事か、しっかり感謝して、修行に励みなさい。 ちなみに、私のグルと君のグルは知り合いで、だからこうして、グルのお導きによって、インド人の私と日本人の君が、マレーシアで出会い、同じ光栄を共有しているのだ。 インドのヨギで、ドクター モトヤマを知らない人は居ない。 もし君がインドに行ったら、私のグルはドクター モトヤマですと、誇りを持って言いなさい。 もしドクター モトヤマを知らないで、ヨギを名乗っている奴が居たら、そいつは偽物だからな!」

と言って、最後に私に「Manish(マニシ…主に男性に用いられる名前で、心を制御した者、霊的に成長した者、天才など、大変良い意味があるそうです)」という、ヒンドゥーネームを授けてくれました。

ちなみに、一見胡散臭いこのインド人は、インドのアシュラムで、40年以上修行されている、ヨーガの行者さんで、たまたま親族の結婚式の為、マレーシアを訪れていたそうです。

この体験が物語るように、本山先生の教えは、国籍・言語・時空を超えて、真理を求める人々に、広く、深く、理解され、根付いており、世界中の人々を、霊的成長へとお導き下さいます。

彼の言うとおり、同じ国、同じ時代に生まれ、直接ご指導頂けるという恩恵に対し、自分自身の霊的成長によって恩返しするのはもちろんのこと、ヨーガを教えるという使命を通じて、この素晴らしい教えを、正しく継承し、広く伝えていく事が出来ますように、一生懸命精進してまいります。

本山先生、奥様をはじめ、一博先生、泰子先生、本部講師の皆様、根府川道場の皆様、御宮や本部のスタッフの皆様、そして最後に、私をIARPへと導いて下さった塚本先生に、心から感謝いたしております。そして、これからもご指導の程、よろしくお願い申し上げます。

(マンスリー444号より)

2012年度

兵庫県 竹内 永治

今から32年前、18歳の時に小さな駅前の本屋さんで「密教ヨーガ」を購入したのが、御縁となりました。 今でも御本を手に取ったときの情景を思い出すことができるほどに、鮮明な印象が残っています。 それから2年後の高野山大学入学まで、名古屋支部の集まりに参加させて頂いておりました。 その後宗教遍歴を重ねて、1994年2月よりIARPに戻ってまいりました。 現在は、真言宗浄光寺(兵庫県)の職員として勤めています。 また、会長の御著書を読むにしたがい経絡などの東洋医学に興味を持ち、2007年鍼灸師の資格を修得いたしました。

経絡体操法指導者養成課程申し込みの動機は、大阪支部での月一回の本部講師の御指導を受動的に受講するだけではいけない、と思うようになりました。 大阪支部はありがたいことに、ほぼ毎月本部講師が来阪されて御指導の機会があります。 また、会長の囲む会も昨年までほぼ毎年開催されていました。 ただありがたいと思い、坐らなければと講習会のたびに思うのですが、坐っては止めて、坐っては止めての輪廻状態でおりました。 そこで、指導者養成課程に参加して、自らに鞭を打とうと思ったのが動機の一つです。 そして、出来る範囲において人様のお役に立つことができるようになりたいのが、動機の二番目です。 指導するには責任が伴いますので、自らお行をする必要性と、指導するための教養が必要になります。

それで、IARP本部での指導者養成講習会の受講とともに、近藤先生と倉谷先生のご来阪のおりに、午後から始まる大阪支部講習会前、午前中での指導者養成の特別講 習会をして頂くことになりました。 これまで受動的に指導して頂くままに経絡体操やアーサナをしておりましたので、指導者養成講習ということで、厳しい特訓の開始です。

まず、言葉をいかにいい加減に使用していたかを、認識させていただきました。 生徒さんにわかりやすく間違いのないように伝えるために、正確な言葉で伝えなければならないことを反省しました。 また、危険の無い様に細心の注意を払わなければならないことを学びました。 そして、先生から間違いを指摘されて、自己のプライドの高いことを気づかせていただきました。 素直で謙虚なことが進歩のキーワードだ、と反省いたしました。 厳しい御指導で仙骨・股関節矯正体操や重心安定体操は、細かいところまで しっかり把握できました。それから、毎月開催されている大阪支部の経絡体操復習会で、指導実習をさせていただくこともできました。 諸先輩や参加された方から経絡体操指導実習中うまく伝わらない点を、親切に御指摘して頂きました。 今回、経絡体操法指導者認定して頂けたのは、会長はじめ、本部長、本部講師の先生、大阪支部の支部長さん、お世話役の方、実習中の生徒役になって頂いた方、同期の受講生の方、皆様のおかげで、ありがとうございました。 さらに、ヨーガ初級指導者を目指して精進いたします。

現在は、ほぼ毎月大阪支部主催の経絡体操復習会で、大阪支部支部長の杉田さん(経絡体操指導者)と共に経絡体操を指導させて頂いております。 今後は、鍼灸師でもありますので、東洋医学や解剖生理の知識を生かして、経絡体操を心身の健康の為に伝えていけるように精進いたします。 さらに、IARPの理念に即して、周りの人に霊性の気づきが得られるように、自利利他に精進してまいります。 お目にかかる機会がございましたら、是非お気軽にお声をおかけ下さい。 今後ともよろしくお願い申し上げます。

(マンスリー442号より)

野原 眞承

私は、恩師の御導きにより、平成11年4月8日、福井県大野市にあります宝慶寺という曹洞宗のお寺にて出家得度させて頂き、禅門の僧侶として歩ませて頂いて参りました。

平成19年4月、師匠の御進言により駒澤大学に社会人入試を受けて入学し、仏教学を学ばせて頂く御縁を頂き、上京させて頂きました。

本山先生の御著書は、恩師に御教え頂いていた御陰様で、以前から拝読させて頂いており、また、本山先生が、駒澤大学において、過去に御講演を何度かなされたという資料を大学で拝見し、改めて御著書を拝読させて頂きたくなりました。 東京で学ばせて頂けるこの機会に、道場にだけでも、是非、御詣りさせて頂きたいと思い、御挨拶に伺ったのが初めての御縁でございました。

御神前にて、神様に御挨拶をと思い、お祈りさせて頂いておりましたら、ガラガラッと扉が開き、本山先生が御出座しになられ、神様に御挨拶の後、こちらを向かれました。   初対面ではございましたが、先生であることを疑う余地も無く、厳しさが極まり、超えるとこうなられるのか、と表現しようの無い広大無辺な御存在を感じ、只、茫然と坐っている私に、にっこり微笑まれ
「どこの坊さんかね?」と尋ねられ、
「曹洞宗の僧侶です。」と申し上げました所、御法話をして下さいました。
そして、
「禅宗の修行は良いけども、臨済宗と曹洞宗の両方を修行した方がいいね、それから、キリストの説く愛というものをちゃんと理解して、キリスト教も包み込めるような、全ての宗教、みんなを下支えできる宗教者にならないといけないね、まあまず縁のある所で一生懸命坐ってみなさい。」
と、初対面の私に御言葉をかけて下さいました。 禅門で出家させて頂く前は、イスラエルで1年半程過ごし、未熟ながらもイエス様に対する敬愛の念を持って毎日お祈りさせて頂いていた私にとって、何とも、有難い御言葉でございました。

その後、御詣りさせて頂く度に、御言葉を賜り、それを励みに精進させて頂いておりました。 道元禅師の「只管打坐」只、坐る という教えは真に深く、世界に広めるに値する教えだと思われます。 しかし、現実には、「只、坐る」に行きつく前に、肝心の修行者が坐行への情熱が冷め、本で覚えた禅哲学を自分で悟ったと思い込み、挫折妥協するのが多くの我々僧侶の自覚する所です。 一切を超え「只、坐る」事に真に行きついていなければ、厳密な意味で、道元禅師の教えの素晴らしさをありのままに実証しお伝えする事は、やはりできません。 「本当に素晴らしいな」と、自身が教えに触れる喜びで感動し、御縁のある方にお伝え申し上げ、共に実践させて頂いているのが私の現状です。

これは「個」から「場所的個としての覚者」へ、という本山先生の中核をなす御教えにも全く同様の事が言えます。 宗教は本来、言葉や思考で対立を制し戦って広めるのではなく、存在そのものの深さ広大さ、つまり、小さな個からより広く大きい場所や環境を支え、愛と智慧を以て調和せしむる場所的個へと自身が変革することで、自ずから証されるものだと思います。 しかし、現実社会にあっては、誰もがその理想の境地を実現し得るわけでも、その存在に御縁を頂くわけでもありません。 その為、その階梯にある私達には、キリスト教の宣教師達が、己の命を顧みず、唯、熱烈な信仰心を支えに言葉や情熱を以て、最上策でないながらも、対立を制し、制され…結果的に戦い、時に死を以て信仰の素晴らしさをお伝えし、実践し示した結果として広まる、というより他に残念ながら術がありません。 未熟な境地にありながら、摩擦を初めから全く一切否定する事は、理想ばかりの現実逃避者だと思います。 一方、特定の信仰が広まった分、本当に平和になったのか?と問われると、それも疑問は残ります。 とはいえ、人間の信仰の有無深浅とは全く別の次元で、常に一切を等しく愛し、支え、絶大なる光明を与え続けて下さる絶対なる御存在は確かにあるのです。

それゆえに只、素直に「信じる者」は救われ、宗教は滅しないのだと思います。

今日、生まれてくる子供達は、ほぼ最初から地球社会という文化圏に属し、相応な成長をする事が求められる現実の中で、「あなたは神を信じますか?」的布教のみでは、一部の方には本当に救いとなったとしても、地球社会に対応するとは、もはや言い切れません。 私が本山先生の御指導を頂く中で、是非とも御膝元の内弟子として一年間住み込みで御指導頂きたいと切望したのは、経絡体操を始めとする、瞑想法、また、信仰の深まりの階梯を説かれる、「個」から「場所的個としての覚者」へ、という先生の御教えは、宗旨宗派を超えた全ての道を求める御縁のある方に役立つに違いない、(あくまで自分の境地の中ではありますが)と確信したからでした。 御許可を頂き、御膝元で修行させて頂けました事は、何事にも代え難い体験となりました。

現代社会において、禅門はもちろん、弘法大師の真言宗、「南無阿弥陀仏」終始一貫全託念仏を説かれた、法然上人、親鸞聖人の御教えや、御題目と法華経を重視された日蓮宗、キリスト教、回教、ヨーガ修行者の方等、あるゆる宗旨宗派、国や文化圏に属していても真摯に向上を求め、そして、世界平和を求める信仰修行者の霊的成長過程にあって、切り捨てようにも切り捨てられない共通の法則性や、理論、哲学、行法の実践というものを、各派それぞれの中で尊敬を集める世界の優れた指導者方が認める形で提示し浸透出来得ない限り、物流ばかり地球狭しといくら駆け巡っても、永劫に地球社会の信仰観の融合による宗教調和の確立や、世界平和は実現されません。

もちろん、それこそ甚だ現実離れした机上の理想論ではありますが、今や世界中の人がスマートフォンや、i-padを、なんと遊牧民や、アフリカの砂漠やサバンナで生活する人達までもが競って欲しがる時代なのですから、それらが浸透し切った後、大衆の欲としての興味関心が物から心身の健康、更に、より精神性に向かった時、その根本となる精神向上の理論や行法が、どんな形であれ世界規模で共通の核となるものを統合整理の試みがされない、とは言い切れません。 経絡体操を基本とした瞑想法、また、「超作」を基底とした日常生活のあり方を通じて、「個」から「場所的個としての覚者」へという成長過程を真に実現しつつある存在は、否定しようにも否定し得ない存在として、御縁の中で深い安心を常に自他に広め深める事が出来得ると思います。 一つには、老子様が、「道に名は無い」と説かれ、道元禅師が「仏教だの禅宗等という宗派は本来無い」と御示しされた様に、否定しようにも否定し得る特定の決まった形が無いからとも言えます。 しかし、残念ながら、自分の理解と実現した境地の範囲内という限定は免れません。 その結果、生じる摩擦や誤解は、甘んじて頂く他はありません。

現在私は、アメリカ・ヴァーモント州にある惺山寺というお寺でアメリカ人と共に坐禅修行させて頂いております。 結局、何処の国の人も求めている真理は表面的違いや深浅があっても、本質的には全く同じものだと改めて実感させられました。 一言でいえば「真の安心」だと思います。 私自身は、未熟ながら、日日の、経絡体操、坐禅修行を通じて自己の執着を離れ、僅かでも本心に目覚め、真に自己自身が安心を深め心底から湧く「あぁ有難やぁ!」という実感そのものを以て、御縁を頂く皆様に神仏の御教えが広めさせて頂けます様歩ませて頂いております。

混沌とした昨今にあって、少しでも世界が平和になるには、世間や、人間関係を始めとする目前の生活環境が、どのように変化し、時に乱れ崩れようとも、常に自分を信じ、他者を信じ、また、常に自他を深く愛することが気張らずとも自然に出来る人が、一人でも多く増え、また、出来なくても、信仰を持ってその方向を目指し生きる事が、実は一番楽で幸せな道であるという事に気づき、伝える事が肝要だと思います。

どうぞ皆様、その為にもそれぞれの御縁の中で共に一切の存在の安寧、安心を祈り、坐り、眞の安心を深めさせて頂けます様に今日も一日頑張りましょう。

最後に、本山先生、奥様はじめ、若先生、泰子先生、講師の先生方、御宮や研究所の皆様には大変御世話になりました。 本当に有難うございました。 また、一緒に御縁を頂き坐って頂きました皆様、この場を借りて心より感謝申し上げます。 そして、どうか今後ともよろしく御指導の程御願い申し上げます。

合 掌
(マンスリー443号より)

2011年度

東京都 吉村 桂充

4年前、山で脛骨と腓骨とを骨折した脚の手術直後、ギブスの中で腫れ、長時間圧迫されたために起こった腓骨神経麻痺。 右の足首から先だけが死んだようにまったく動かせなくなりました。 そのおかげで、低周波、鍼灸、マッサージ、整体、リフレクソロジー、サプリメント、ヨガ、リハビリ運動、経絡体操法・・・ ありとあらゆる治療法や体操法にふれることができました。それぞれに効果や気づきがありました。 その中で、麻痺の症状の変化や体調から、特に経絡体操法の効果を実感いたしました。 又、通常なら必ず起こるであろう良い方の足腰の不具合も、ほとんど体験せずにすんでいます。

すべての人々にとって親しみ易く、体力のない方、高齢の方にも無理なく行える体操で、経絡という体の微細な部分に働きかけ、しかもダイナミックな効果を持ち、体の歪みを矯正し、様々な体調の不具合を予防することのできる、大変にすぐれた健康法であることを自分の体で感じることができました。 気がつくと、今も毎日続けているのは経絡体操法だけになっていました。 日常の生活に取り入れ、続けるという点で、時間的、経済的理由からも、現実にそくした無理のない体操法とも言えます。

多くの方々にこの経絡体操法をお伝えし、健康で幸せにお過ごしいただきたいと願い、昨年の3月に、指導者に認定していただきました。 さっそく私の本業である「舞」の弟子たちはじめ、身近の方達に経絡体操法をすすめております。 また、毎月文化講座の舞の講師として通っている富山県高岡市の臨済宗のお寺で、昨年5月から、経絡体操法の講座をさせていただきました。

家庭の主婦など、日ごろあまりからだを動かさない方達が、特にこの体操法の効果を感じとってくださり、一般的なヨガよりも気持ちがいいと大変喜ばれ、気に入って下さいました。 三ヶ月ほど続けましたが、残念ながら、その文化講座は8月で終わりになりました。

昨年の秋から、根府川ヨーガ道場の月曜日夜のヨガクラスを担当させていただくようになりました。 経絡体操法をご指導させていただきながら、根府川の海を見ることがとても楽しみで、通わせていただいております。

また、今年3月南インドで行われた女性の芸能のためのフェスティバルに舞で参加いたしましたが、その間、5日間のワークショップを担当いたしました。 様々な国から集まった、演劇、舞踊、歌などの表現者達を対象に、1日約2時間、表現のためのワークショップを行いました。 その際、気の流れを特に意識した経絡体操法の理念も取り入れつつ、全体を構成いたしました。ヨーロッパからの演出家や、女優達に、そのワークショップの内容が高く評価されました。 そして、そのインドのフェスティバルでの出会いがご縁となり、今年6月末から7月にかけて、イタリアで行われる演劇のためのフェスティバルに招待されました。 こんどは、1日4時間半、5日間のワークショップを行うことを依頼されました。 その時にも、気の流れを意識したワークショップを行いたいと思いますが、どのように経絡体操法を取り込んで構成するか、ただ今検討中です。

一昨年の小豆島ご本宮での大祭ご祝宴でのご奉納の舞をご覧下さった本山先生は、 「上下の気をめぐらし、気のバランスが良くなると、もっときれいに舞えるようになるよ。」 とお言葉をかけて下さいました。 そのお言葉を忘れず超作で、経絡体操法指導につとめて参ります。 今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、お願いもうしあげます

(マンスリー432号より)

福井県 高波 弘子

私は、地方にいるため、頻繁にクラスに通うことができませんが、 ここ3~4年、月1~2回くらいのペースで、本部の基礎瞑想や経絡体操クラス等に参加させていただいています。

昨年、「経絡体操法指導者養成課程」の認定を取得させていただきましたが、現在は、「ヨーガ初級指導者養成課程」の認定を目指して、指導実習を受けています。

「指導者養成課程」を受講しようと思ったきっかけの1つは、経絡体操の基礎をしっかりと学びたいということでした。 月1くらいのクラスの受講では、どうしても自己流に陥りがちですし、何回クラスに出ても聞き漏らしていることがかなりあります。 人に教えるということを前提に学ぶ方が、勉強になると思ったからです。 そして、第2には、 瞑想に興味を持ち始めた頃、まわりに瞑想をきちんと教えてくださる方がおらず、随分と遠回りをしたと感じていました。 瞑想を実践している人、ある種の神秘体験を持つ人などで、私のように迷ったり、悩んだり、勘違いしたり・・・といった人々は、少なくないと思いました。 その中でも、体操の重要性に気づいていない方は多くいると考えたからです。

しかし、試験に臨む過程で母が急逝し、忙しさも増して、受験を断念しようかと思いました。 でも、背中を押してくれたのも母でした。 前日には元気で仕事をしていた母が、風邪を引いたようで頭が痛いといって、1日寝込んでいました。 夜、母の寝室をのぞいたときに、母がベッドから落ちていたので、驚いて 「どうしたの?!」 と尋ねると、トイレに行こうと思ったのに、起き上がれず落ちたと言うのです。 私は母を起こそうとしたのですが、重くてとても持ち上げることが出来ません。 20分くらい格闘したのですが、床にお座りして動かなくなっている母は、何だか人形のようでした。 そこで私は、母の足の指先から関節を回しほぐして、股関節回しまで、経絡体操を施しました。そしてもう一度持ち上げたら、うそのように立ち上がることが出来ました。 そして、自分でトイレに行き、水を飲んで果物とヨーグルトを食べました。 母は重くはないのですが、リューマチの持病があったので、長時間寝ていて、体がこわばったせいで動けなくなったと思い、お風呂に入るかどうか尋ねたら、入るといって自分で歩いて風呂場に行きました。・・・それが母の最期でした。

今思えば人形のように見えた母は、もう魂が抜けかかっていたように思います。 お風呂に入らなくても、寝床で亡くなっていたかもしれません。 でも、母は前日まで仕事をしていて、最期も身奇麗にして亡くなりました。 リューマチで寝たきりになるのだけは嫌だといって、毎日、自己流の体操を欠かさなかった母でしたので、思い通りの死に方が出来たと思います。 そして、私に「経絡体操」の効果を身を持って教えてくれたような気がしています。

最近では、受験生の甥っ子が椅子に座ることも出来ないくらい腰を悪くしていたので、経絡体操を教えたら、体操をしないと調子が悪くなるといって毎日実践しているようです。

実際に、認定を受けたものの、身近な人以外に教えるという行動は今だ起こせていませんが、人に伝える、教えるというのは、自分で習ったことを実践するのとは、また違った実習が必要です。 今の段階では、まだまだ自分のことで精一杯ですが、ゆくゆくは、指導させていただくことで、世の中のお役に立ちたいと思っています。

(マンスリー432号より)

東京都 宮澤 雅子

ええ、皆様「受講してよかった。改めて体操の再認識が「できた。」と異口同音におっしゃってますよ。 私もそのうちの一人ですけども。 わが魂が終生お世話になる体ですから、そのメカニズムを熟知したうえで、いとおしみ慈しみ、お付き合いしていくのってとても大切な事だと思うのです。

 *    *

一昨年の6月から講習会がスタートしたのですから、まもなく2年になるのですね。  やると決心したからには、それなりの決意を固めて立ち向かいました。 瞑想クラスと経絡体操クラスで講習会が設けられていましたので、両方のクラスに参加していました。 年齢的にも、ガタピシいい始めた脳ですから、ムチ打たないと知識が定着してくれません。私の場合はね。

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授業内容につきましては、アーサナポーズの写真にその方法、効果、禁忌事項などの書かれたテキストがありますので、その点心強いですし、安心です。 一つ一つのポーズをして理解納得したうえで解説文を丸暗記できるようになるまで何度も何度も練習いたしました。 そして、イザ!指導法実技の実習です。 私が「仮の先生(指導者)」他のお仲間の方々が「仮の生徒さん(指導を受ける人)」という設定で始まります。 私が 「では足の指の曲げ伸ばしからします。まず坐ります。両脚はやや腰幅に開き前に出し、上体は尾?骨から頭頂まで自然に真っ直ぐにして、両手を床に着けて支えます。 はい足の指全部を握るようにしっかり曲げて……次に指と指の間をグンと開いて伸ばしましょう……」 などと言いながら、動作をしていきます。 生徒さん達が私の動きを真似て指示どおりにいたします。 ですから私の動作と指示が的確でなければいけませんね。 私に迷いがあっては生徒さん達が戸惑ってしまうでしょう? 断然自分の言葉と動作に責任を持たねばなりません。 又、自分で勝手に動作を考案してしまうというのも御法度。 「本山式経絡体操を正しく学び正しく伝達するという使命感は、しっかり持とう」といつも自分に言い聞かせてまいりました。

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自分一人で体操するぶんには何でもないことが、サア言葉に出して相手に伝えましょう…というのがコレ案外と難しいものです。 やはりテクニックとキャリアが必要となってまいります。その方法伝授というのも「指導者養成課程」の学習目的でもあるのでしょう。 でも大丈夫。その都度、本物の先生方から私の改善点のチェックとアドバイスが入ります。 そして、そのアドバイスに従い修正しつつ習得を重ね、段々スキルアップしていく…という訳です。 このようにして、仮の先生役、仮の生徒役は順番に交替しながら行なっていきます。

その他の必修事項としましては、人体にあるツボ、骨格の数や名称など基本的なレベルを学習していきます。 指導者となり、指導していく上で必要最低限をですね。 それ以来、鍼灸学校卒業生でない私でも経絡やツボに関して興味を抱くようになりました。 それまで無関心で知らない事がたくさんあったにもかかわらず何となく体操をしてきた事に対して警鐘が鳴らされた思いです。 気持がピシッといたしましたね。これも本物の先生方の厳格なるも、お優しく根気の良いご指導の賜と感謝しています。

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今は時間的ゆとりが持てず外部にての指導はしていませんが、家族や身内の者に教える自信は充分に出てきましたよ。 受講し、お陰さまで資格取得できその後もそれなりに勉強している事は決して無駄になっていません。 わが人生への視線や支点が変わってきまして、むしろ大いに宝物が増えたような気がいたしております。 健康も宝。 勉強も宝という事でしょうか。

(マンスリー433号より)

山梨県 小平 正彦

山梨の小平と申します。 IARPでヨガを始めてから5年程たちます。 経絡体操法はとても優れた体操で、お陰さまで、疲労がたまりあちこち錆だらけになっていた体やいつもどんよりとした精神状態も改善され、毎日快調にすごすことができています。

指導者養成課程を受講した動機は、よいものを、きちんと伝えたいとの思いからです。 資格をとって何かしようと考えたわけではありません。

実はこの過程を受講する前から、身近にいる人に勧めていました。 今までに二十数名になると思います。

二十数名に勧めて、毎日行っている人は4人です。 約15%と確率は低いのですが、理解してもらえたということは、とてもうれしいことで、Aさんの場合は血圧が少し高い程度で薬もかなり減らすことができているようで、よかったなと思っています。 愚痴・繰り言・ためいきが全くない。 本当に良かったと思います。 思い残すことがない状態とはこういうことではないだろうかと思っていますがどうでしょうか。

Aさんは同じ職場にいたので、徹底的に説得し、夜勤の時に床に段ボールを敷いて、その上で覚えてもらったのでした。 やめてもらっては困るので、経絡体操っていいよねという話を何カ月もしました。 念には念を入れてこれでもかが私の本当のやり方です。 きらわれなくて良かったと思っています。

近所のWさんの場合は、頑固な人なのであまり強く言わなかったのですが、まだわかってもらえません。 七十歳と少し高齢なのですが、去年から山のキノコ採りにはついてこれなくなりました。 たまに飲みに行くのですが、歩くところを後ろからみると、腰がかなり固まって、昔の私のように体が錆だらけだなとよくわかります。 話の中に、お前は若いからとか元気だからとか言うようになったので、もうぼちぼちかなと、タイミングを狙っています。

Mさんはリューマチの治療に抗がん剤を処方してもらっているそうで、この人はもしかしたらもう間に合わないかもしれない。 早くこっちを向いてもらいたいと思うばかりですが彼の場合は薬がいやになった時がちょうどタイミングだろうと思っています。

薬を飲めば治る、病院に行けば治してもらえると考えるのは常識で、別におかしくはないし、普通だし、それしかないと考えるのもわかるのですが、いつもここで言葉につまってしまいます。

今、世間で心配されている年金制度・保険制度の破綻のことは皆さん御存知と思います。 しかし「健康増進法」という法律があると知り、こんなものがあるのかと、少々あきれています。

2001年に公布され、義務規定には、国民は、健康の増進に努めなければならないとあります。今までの常識を変えなければならない時代になっていると思います。薬や医療が安く手に入る時代は終わりかけています。うまく言えないのですが、自分自身で健康管理をしなくてはならないということです。

(マンスリー433号より)

東京都 里村 美奈子

私は、2007年2月にIARPに入会させて頂きました。 入会の動機は、通っていた気功教室で不思議な体験があった事や、気功の先生から本山先生のご著書である『密教ヨーガ』の本をお借りして読ませて頂いたことで、IARPに興味を持った為です。

入会後は、ほとんど休む事もなく火曜日の近藤先生のクラスに通わせて頂いています。 初めは現実世界とはかけ離れた所と思いました。 近藤先生も、私から見ると手の届かない遠い雲の上の存在でした。 でもIARPのクラスを受講している間は、現実から離れて何もかも忘れて心地良い幸せを感じるひと時でした。 そうして、3年経った時、それまでは無かった指導者養成課程が始まったのです。

初めは、資格が取れるかどうか試しに受けてみようという軽い気持ちでした。 しかし、良く考えてみるとヨガの指導者というのは、それまでの私にとっては全く別世界の事でした。

私は、音楽大学を卒業後、20年程ピアノの教師をしていたのです。 また、私は小さい頃からひ弱な体質で、運動は大の苦手でした。 7~8年前までは、良く寝込んでばかりいて、自分でも 「これじゃあ生きている価値も無い。」 と思って布団の中で泣いたりもしていました。 そんな私が、もし経絡体操法の指導者になったとしたら、以前からの私を知る人はさぞ驚く事でしょう。

それが、ヨガや気功を習う事によって徐々に体質が改善されて、今ではほぼ普通の人達と同じ様に行動出来る様になってきた事が、とても嬉しいのです。 ですから今度は私が、ヨガの指導者になって、他の人々の健康な体を作るお手伝いが出来る様になれたらいいなあと思ったのです。

指導者養成課程を取る事に決めて、近藤先生のクラスと倉谷先生のクラスを受講し始めると大変勉強になりました。 それまで、3年間学んで来たので大体分かっているつもりでしたが、いざ教えようと思うと大体では駄目で、しっかりと分かっていなければ何一つ口から出てきませんでした。 特に私は人前で話すのが苦手な為、かなりしっかりと覚えた上に、何度も繰り返し口から出す練習をしなくてはなりませんでした。

試験が近くなるにつれ、プレッシャーも強まり大変ではありましたが、今は自分がこれまでIARPで学んで来た事を、きちんと整理し、確認し、覚える事が出来て本当に良かったと思っています。 もしこの経絡体操法指導者養成課程を受けなかったら、未だにただぼんやりと通っていただけで、本当には身に付いていなかったと思います。

今は、また更に一つ上の初級ヨガ指導者にも同様に挑戦しています。 私は、この様に恵まれた環境で優れた先生に教えて頂ける中で、まずはしっかりと本山先生のお教えを身に付けたいと思っています。 本山先生が、こうすれば一番安全に、かつ効果的に霊的成長出来るとお教え下さっている事を、出来る限り正確に身に付けて他の人達にも伝えられる様になる事は、本山先生の弟子である私たちにとって求められる大切な役割と思います。

ここまで熱心にご指導頂いた近藤先生、倉谷先生他諸先生方や、IARPのスタッフの皆様に心から感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。 また、今後とも御指導宜しくお願い申し上げます。

(マンスリー434号より)

東京都 土井 由美子

はじめは、友人の付き添いで入門クラスに参加しました。たしか2006年の3月だったと思います。 その当時は、ほかのヨガ教室でアーサナは学んでおりましたが、友人の持っていた「密教ヨーガ」の本の布張りの感触に心時めき、触発されてクラスに参加し、何故か友人ではなく私が御縁をいただき今日に到ります。

地元の小田急線、祖師谷大蔵で週に1,2回 体力作りとリラクゼーションを目的にヨーガ教室を続けています。 20代から70代までと年代はバラバラですが、生徒さんにほぼ共通しているのが下半身の弱さ!です。 類は友を呼ぶ、、、の引きよせの法則ではありませんが、事実 私も下半身が弱く冷え性です。たまに腰も痛みます!

足の筋肉は人体の筋肉の70%ほども占めてるといわれてるほどで、その下半身が弱いと自分の足でしっかりと大地を踏みしめる事ができず、自分に自信が持てなくなるともいわれています。

生徒さんの、おひとりでこの様な方がおられました。 1時間半のレッスンの中、ほとんどのアーサナはご自分にフォーカスしながら気持ちよくできているのに、何故か、立木のポーズ(ブリクシャアーサナ)だけが思うようにできずグラついてしまいます。 私は、どうしてだろう?と考えました。 毎回、足でしっかり地面を踏んで!軸足の上に背骨をのせる様に!丹田に気を充実させて、お腹しめてお尻しめて!まっすぐ一点を見つめて!! と指導していますが、何故かバランスが取れない。 彼女は、まだまだ30代前半と若く、色白のぽっちゃり美人さん…。人生につまずくのにも早すぎる…。 身長160センチぐらいにしては足が小さい。自分では、足指が短いと言っている。確かに、短い。足指もぽっちゃりさんだ。 そして、土ふまずが、ない。 と、いうことは、足裏をうまく使えていないのではないか? 

その時に、体の要はそう腰。月へんに要の腰。  後日、レッスンで 立ってする仙骨と股関節の矯正体操 を一通りやってから立木のポーズを行った所、なんとその日は見事にバランスをくずさず、きれいな木になっていました!

また、腰の調子が悪い生徒さんがいる時には 寝てする仙骨、股関節の矯正体操を取り入れています。 おしりの筋肉を絞めて~と言っても、なかなかわからない方も「きき尻」です。 言うことをきいてくれるお尻を先にグッと絞めて~とアナウンスすると笑いとともに、アッこっちの、お尻のほうが絞めやすいんだ~と、自分のお尻に目覚めてくれます。

まだまだ体のレベルですが、ヨーガは本当に気づきをあたえてくれると実感させてもらっております。

いままで何の疑問も持たずに動いてくれてる身体。 また、どうしてかわからないけど動いてくれない身体。 きのうできて今日できない心と身体のバランスの不思議。 

そんな事を味わいながらヨーガを続けて、そしてそして倉谷先生、近藤先生、両先生目指して一歩でも近づける様に! と、これからも精進していきたいと思います!

(マンスリー434号より)

神奈川県 岡田 恵

私は、2011年度経絡体操指導者認定を取得いたしました、神奈川県の湘南、辻堂に住んでおります、岡田恵(おかだ めぐ)と申します。

私が経絡体操指導者認定修了課程を受講しようと思った動機は、指導者の認定を得ることを目標に勉強することで、毎日坐り続ける行の道へと入るために必要なことを、身につけたいということと、根府川道場に通うようになってから、私も道場のお手伝いができればなと思うようになり、受講することを決めました。

私は幼少のころには神秘的なことに、学生時代はアートや哲学的なことに関心がありました。 ヨガを始める前には仏教哲学や曼荼羅に興味を持ち、仏画教室に通ったりもしました。 世界のいろいろな宗教にも興味が湧いて、神仏を求めて寺社仏閣巡りもいたしました。

ヨガを始めたきっかけは、もともとは瞑想をしたくて瞑想とはどういうものなのかを知りたくて、始めました。 そして、いつかは自分の学びたい道へ導いてくれる師に巡り会いたくて、いろいろなワークショップやヨガのクラスに出てみました。

そんな時、ある瞑想のワークショップで、IARPの会員でもあり、多方面で活躍されている楠原さんとの出会いがありました。 楠原さんとの出会いは、私にとってIARPや、その他いろいろな方と出会う大事なきっかけになりました。 楠原さんと出会う頃、いくつかの偶然な出会いの流れがありました。

私が初めてヨガを学び始めたのは2004年頃でしたが、場所は横浜の馬車道にあります、ヨガスタディーの恭子先生のところでした。 5年間クラスに通わせていただきました。 佐保田鶴治先生のお弟子さんと、インドのBKアイアンガーのお弟子さんから学ばれた先生です。 今でもとても尊敬いたしております。 2008年夏、その恭子先生の弟弟子さんが沖縄にいられて、その方の主宰された沖縄、久高島でのヨガリトリートで、同年代の気の合う女の子と出会いました。 彼女は北海道の札幌でヨガをしているとのことで、彼女の先生の先生という方が瞑想をされているということで、興味が湧いて、翌月に北海道の札幌に会い行き、その方の瞑想クラスにでたことがあります。 その方は、独特な雰囲気のある方でしたが、先ほどの楠原さんとも繋がりのある、IARPの北海道支部の塚本先生だったことが、後でわかりました。 偶然のつながりですが、今思うと必然的に感じます。 その後も、楠原さんが主宰されている瞑想会で、いろいろな方に出会うことができ、瞑想についてもいろいろ体感することができました。

2009年夏、楠原さんに根府川道場をご紹介いただき、連れて行っていただきました。 そして繁本先生をご紹介いただいたのですが、始めてお会いした時に、私は直感的にここで学んでいきたいなと思いました。 そして、IARPに入会して根府川に通い始めました。 繁本先生のクラスではいろいろ教わっていますが、最近は合宿の方も忙しそうなので、繁本先生のお勧めもあり、定期的に本部に行き、本部講師の先生方にも教わることになりました。

当時は本山先生のご著書も片っ端から読ませていただきました。 本山先生の特別クラスにも参加させていただいたり、基礎クラスやチャクラ覚醒クラス、集中講座などに出ながら、根府川にも通い、私にできることをお手伝いしながら、超作についても実践しながら勉強を続けました。

ある日、近藤先生が道場にいらした時に、経絡体操指導者の認定制度があることを教えてくださいました。 それを取得することで、自分のレベルアップを目指しながら、道場でもさらにお役に立てればなと思い受験することにいたしました。

倉谷先生と近藤先生には、とても細かいところまで見てご指導をいただけたこと、覚醒法クラスなどでは、山田先生や竹島先生にも、丁寧に詳しくご指導いただけましたことを、心より感謝いたしております。

2010の暮れから春にかけ、たまたま繁本先生の知り合いの方のご縁で、今の私が経営しております美容室も始めることができ、そして、その時期に結婚もし、本当に変化のある1年でした。

昨年は、道場で数ヶ月ヨガクラスや仕事を手伝っておられた、会員で信徒でもある山中路子先生と出会い、その時からいろいろ可愛がっていただいておりますが、山中路子先生もまた、塚本先生や楠原さん繋がりで、ここでもご縁を感じました。 繁本先生や山田先生も、昔札幌にいらした頃、最初に塚本先生から瞑想の基本を習われ、IARPを紹介され、一緒に瞑想をされていた時期があるとお聞きしたことがあります。

今年になってからは、お祈りについても勉強がしたくて、先日、本山一博先生によります十五条の御神訓の講座も受講させていただきました。

以上のように、たくさんの偶然とは思えない出会いや助けを得ることができたおかげで、ここまでこられましたことを、心より感謝いたしております。本当にありがとうございました。

経絡体操認定取得後の活動としましては、自分のお店の営業前に、ご近所の方やご紹介者を対象に、その人に合った経絡体操をさせていただいています。 根府川道場では、現在週に3回、私にできることのお手伝いと、合宿に来られた方を対象に経絡体操をさせていただいています。 経絡体操が終わった後、皆様に、 「スッキリしました」とか、 「気持ちよかった」などのお声をいただくと、よかったなぁと、とっても嬉しく思います。 これからももっと経験と勉強を積み重ねて精進したいです。

今後の目標は、初級ヨガ認定を取得して、ヨガの実践者として成長し、瞑想の行法などもお伝えできる講師として、お手伝いができたらなと思っております。 祈り、超作、瞑想についても実践を高めながら、勉強を重ねて、経験を深めていけるような人間に成長していきたいと願っております。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(マンスリー435号より)

大阪府 杉田 みき

2011年度の経絡体操指導者養成課程に参加し、認定をいただいた大阪支部の杉田です。 将来、体操指導者の認定を受けようと思っておられる方の参考になれば、と原稿をお受けしました。

2000年にIARPに入会し、ほぼ毎月支部例会に参加、2006年から支部長に任命されて大阪支部で毎月本部講師の先生方にご来阪いただいての講習を開催している ことから、経絡体操の回数実績だけは十分あるものの、体の硬さに加えひどい運動音痴でもあることから、自身が体操指導者になるなどは考えもしていませんでした。

ある時、本部講師の近藤先生から 「ぜひトライしてはどうか。ヨガのアーサナ同様ポーズを完成することが大事なのではなく、体操の理論と効果をしっかりと理解して、体が使える人は自分の体を使い、使えない人は自分の声や、人などの道具を使ってそれを人に伝える能力があることが大事で、それにはなによりその熱意があることが必要なのです」 というお言葉をいただきました。 仕事で多くの数の出張業務に加え、夜 中までの仕事、外食の多さもハンパでなく、このような生活を若さと気力だけでカバーしきれなくなってきた頃にIARP、経絡体操に出会い、その恩恵に心から感謝している ことから、それを一人でも多くの人に伝えたいという気持ちは強く持っていたので、 「そうや、体の硬さなんか熱意でクリアーや!」 とばかり、ほぼ勢いのみで申し込んでしまいました。 そしてこれがそんなに甘くはなかったのを知るに時間はかかりませんでした。

経絡体操の基本の「パワンムクタアーサナ」はすでに毎日の習慣となっていたので自信満々だった私は、さっそく大阪支部の経絡体操復習会というサークルの場ではじ めて“練習講師見習”として指導させていただいたところ、あまりの勝手の違いにガクゼンとすることになりました。 自分でやるぶんには順番を間違えたり、動きを飛ばしてしまっても「まあいいか」で済みますが、人に教える場合はそうはいきません。 私が間違えるとみんな間違えるし、私が「どうしよう」と悩むと全員「どうしよう」と悩んでしまう。 これではダメだ、と体操指導者希望者対象の特別講習クラス、というのに申し込むことにしました。

ところがその特別クラスがまた甘いものではなく、講師の先生は倉谷先生と近藤先生だったのですが、 普段の例会で「無理しないでね~」「できる範囲でいいですよ」と天使のようなお声で優しく指導いただくのとは180度違う様相で、いい加減な動きや間違った説明をするたびに容赦なく厳しい言葉と鋭い視線が飛んできて、毎回冷や汗をかきながら講習を受けることとなりました。
「え~っと、足首をバーっと回して、次に股関節をおろして・・」
「“バーっと”とかそんな擬音は要りません。股関節をおろすってどういう意味?正確な言葉で説明してください。ついでに、え~っと、もいらない」
「ひざを曲げてください」
「そこ、ひざじゃないの、ひじ!」
「適当な回数でまわしてから・・」
「適当という言葉は本にはありません」
と、デモンストレーションが終わるたびに数多くの“ダメ出し”と厳しい質問が飛んできて、 「せ、先生方ってそんなキャラでしたっけ?天使じゃなかったんですか?これじゃあまるでタイガーマスクの“虎の穴”じゃないですかあ~」 と泣きたくなるような気分でした。

瞬く間に“ダメ出しメモ”が積み重なり、しかしそれだけのチェックを受けるのも当然で、自分ではできていると思っていた体操やアーサナが長年の間に自己流になったり、もともと正確な理解をせずに覚えていたりしたことが判明、先生方が厳しくされるのも、間違った指導方法では教わる方の体の部位を痛めたりする危険性があるからでし た。

今回このように試験を受けたことで、自分自身も基本に立ち返りしっかりと復習もでき、体操効果の正しい理解と見識を深めることができて、本当によかったと思っておりま すので、少しでも熱意、意思のある方には是非トライしていただきたいと思います。

現在は経絡体操復習会の場で指導させていただき、さらに経験を積んで洗練された指導ができるようになりたいと思っております。

最後になりましたが、厳しくも愛をもってご指導いただきました倉谷先生、近藤先生、そして練習期間中モルモットとなり、手厳しい指摘と温かい鼓舞激励をいただきました 大阪経絡体操復習会メンバーの皆様に心からお礼を申し上げます。

(マンスリー435号より)