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井の頭公園に隣接するヨガスクール 
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経絡体操法クラス 平尾ほづ枝講師のクラス紹介

平尾ほづ枝

平尾ほづ枝

婚家の建て替えのために井の頭に引っ越してきたのは二十五年ほど前、まだ若いと思っていた私は、先頭に立って片づけていたその最中に腰を痛めてしまいました。 するとまるで招いてでもいるかのように「井の頭鍼灸院」の看板が目に入りました。 思い切って訪ねてみると、そこは大きなガラス戸の玄関。建物はしんと静まり返り、人の気配はまったくなく、大きな銅鑼がまるで叩いてでも欲しいというかのように置いてありました。 やがて右側の階段の上の方から「ハーイ」の声とともに、かろやかに青年が降りていらして、その頃診察室があった、今の研究所の受付のある二階への急な階段へと導かれ、おそるおそる上がっていくと、そこは沈静した空気に満たされた空間。 その一室で白衣の先生とお会いしての、初めての治療。

まず椅子に座り、手足のすべての指先に電極がつけられました。 当時では最新のコンピュータにその先端がつながっていました。 「鍼灸とコンピュータ?」と思いましたら、これで体の状態が科学的に分かるのだと説明されて、不思議に思いました。

現在の「井の頭鍼灸院」は敷地内、駐車場近くに独立した建物として建っています。 最初に出会ったのは、今思えば本部講師の山田先生。 手足につけた電極は、本山博先生が苦心して開発されたAMIですから、IARPとの巡り会いがこの日に始まったように思います。

健康維持のために定期的に通うようになった鍼灸院の北岡先生から、あるとき瞑想を勧められました。 私がためらっていると、「では経絡体操をすればいいのでは」と背中を押してくださいました。 長年バレエをやっていた私ですが、たまたまレッスンの回数が減った時期とも重なり、体をもっと動かしたいと感じていましたので、身体訓練ならばなじみやすいと思い、受講することにしました。

数年経ったころ、倉谷先生から「経絡体操の指導者資格に挑戦してみませんか」とお誘いをいただきました。

主人がオペラ関係の仕事をしていることから、バレエを教えると同時に、オペラを歌う人たちの舞台での立ち居振る舞い、姿勢などの指導もしていましたが、肉体を動かすことが苦手なオペラの人たちに、「経絡体操を通じて身体表現を教えることはとても意味があるのではないか」と主人からも勧められ、指導者資格取得に挑むことにしました。

当初は簡単に思っていた経絡体操は、その奥は深く、ひとつひとつの動作に注意を向けて行うことが、肉体の静かな変化を感じることにつながり、それはバランスのとれた身体を作りだすとともに、心が落ち着いてくることにも気づかされました。

このシンプルで、かつ体にやさしい経絡体操は、オペラの人たちだけにではなく、まったく違ったシステムであるバレエの指導にあたっても、その考え方を採り入れることはとても有効でした。 なによりも自分の体と仲良くなれるという、ほかの方法ではなかなか得られない利点があります。

バレエでは、ふだんは鏡を利用しての稽古が中心で、視覚に頼って肉体の外側から直していくことが多いのですが、私自身が経絡体操を通じて自分の身体を内側から見る習慣がついたおかげで、バレエや身体表現を習っている人たちに、そういった視点から自分を感じるようにと指導することができるようになりました。 経絡体操の考え方で身体に向き合うことで、レッスンする人たちは、無理して力づくで肉体を作るのではなく、身体の内からの声を聞きながら自分の肉体を整えることができるようになり、自分の体を大事にするようになりました。

バレエの人は踊るときに、歌う人は声を出すときに、よい肉体の状態を無意識のうちに保ちつつ、自由に体を動かすことができるようになったのです。

もちろん経絡体操はもともと瞑想するときに、肉体が邪魔をしないようにするために行う体操だと思います。 バレエを踊る人や歌を歌う人たちでも肉体から解放されたように、私のクラスでいっしょに経絡体操をしてみませんか。

たまたまの偶然からIARPに入会して、本山博先生をはじめ、いろいろな先生方とお会いして導かれてきた私ですが、ご縁というものの深さをつくづくと感じられる日々です。 この経絡体操の有用さを体感し、これからも皆様とともに学んでいきたいと思います。

(月1~2回 2時間のクラスを担当)

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